コルデー回想17
自首は打ち消した。悪人しかいない環境で、安泰に暮らせるはずがない。しらばっくれて、傍で転んだけれど主張しこれで逃げ切るしかない。閉鎖空間に閉じ込められていびり殺されるなどまっぴらごめんだ。
おじいとおばあを連れ出すにはどうしたらいいものか。
公民館、学校。候補はこの二か所くらいだ。うまい理由がないので、ひとり苛立ちを積もらせる。
電話の呼び出し音で我にかえる。
「どうしたの?電話って?」
「よくないことなのかな?早く話しておいた方がいい感じ。」
普段のトーンと明らかに違う。切り出し方が難しいのか、しばらくしてやっと話し始めた。
「さっき、家に男がきた。うちが家にいるかって。ママがどちら様ですか、ご用件はって聞いているうちにいなくなったけど…。うち宛てだから画面をみると、何がグレてますって感じの高校生くらいの、なんか、とにかく怪しいのが来た。」
「これからどうするの?」
「居留守する。嫌な話ばかりで何かさ、何だけど、あの死亡事件は、あのグループの人が蹴りをつけたいから、事故で終わらせたって話を聞いた。あくまで噂だけど。」
スマホを持つ手がびっしょりになった。
「教えてくれてありがとう。また、何かあったら知らせて。」
わたしは人知れず殺されるのか?連れ去られて、人の形を残さないくらいに酷い拷問をされ、どこかにひっそり埋められるかも。おじい、おばあと離れてひとりでいた方がいいのかな。ひしひし近づく恐怖に震えた。




