第74話
「準備はいいか?」
「いいよわ。十六階層は無視して、十七階層に行くのよね?」
「ああ、そうだ」
俺達は一階層に戻り、十五階層へ転移した。そこから十六階層のフィールドへと辿り着くと、十七階層の階段方面へ向かった。
道中に現れるサンドワームは無視してひたすら真っ直ぐ進むと、少し離れた場所で砂塵が舞うのと同時に叫び声が聞こえる。
誰かがサンドワームと戦っているようだった。勿論デカいほうの。
「ちょっと寄り道だ。誰かがサンドワームに襲われているようだ」
「わかったわ。ママもいいよね?」
ここで美晴の目が輝いたのを、俺は見逃さなかった。
「このままじゃ全滅だ!俺が奴を引き付けるから、三田を引きずってでも階段に向かえ!」
「ダメよ!貴方を置いて行ける訳ないじゃない!私達で何とか乗り切るのよ!」
男女四人のパーティーが見えてきたが、一人は倒れて動けないでいる。
彼等は、あの時の探索者だ!
「美晴!詩織!行くぞ!彼等を助ける!」
美晴と詩織に倒れている女性の救出に向かわせ、俺はサンドワームに向かう。
「またせたな。俺が受け持つから安全な場所で待機してろ」
「すまない!助太刀感謝する」
サンドワームの口元を殴り、爆発ダメージを与えヘイトを俺に向ける。
すぐに距離をとりサンドワームの攻撃に備えると、大きな口を開け俺を飲み込もうとするが、距離をとっている為、俺には届かない。
そして、その攻撃の隙にもう一発殴り爆発ダメージを与え、離脱を繰り返す。
「宗ちゃん来たよ~」
「おぅ!なら、サンドワームの攻撃後の隙を狙って攻撃して、離脱してくれ!」
「「わかったわ」~」
俺達三人の同時攻撃にヘイトを分散されたサンドワームは怒りに身を任せ、大ぶりの攻撃・・・・圧し掛かりをしてきた。
「このあとの隙は大きいぞ!そこを狙え」
「「了解」~」
俺は腹部に何度も爆発ダメージを与え。詩織は背中に突きと切り裂くの連続で攻撃。美晴はサンドワームの頭部に、鞭を何度も何度も振るい叩きつけた。
俺達の攻撃に、サンドワームの体からは液体が漏れ、体表はボロボロになり、口元はえぐれて見るも無残の状態だ。その数秒後にサンドワームは黒い霧となり消えてなくなっていった。
「ふぅ、案外楽勝だったな」
「そうね~だけど私はもっと戦いたかったな~」
「ママは充分でしょ?」
俺達は、以前この階層で出会った探索者の元へ向かった。
「救援感謝する。貴方は確か・・・」
「武田だ。間に合ってよかった」
「ありがとう。もうダメだと思っていた所に武田さんが来てくれて助かりました。改めて本当にありがとございます」
「こういうのはお互い様さ」
一人はまだ気絶しているみたいだが、残りの三人は傷はあるものの、元気そうだ。
「どうする?送っていこうか?」
「いえ大丈夫です。ここからなら十七階層の階段まで近いので、そこで彼が目を覚ますのを待ってから帰還します」
「そうか、なら階段の所まで一緒に行こう。俺達は十七階層に向かっていた所だったからな」
彼等を連れ十七階層の階段へと向かい、その後彼等と別れ俺達は階段を降りていった。




