第10話
階段を二十段程降りた所で折り返すように左に曲がり、また二十段程降りた所で目的地の二階層へたどり着いた。
二階層も洞窟フロアになっている。
一階層とあまり変わらないと思うが、少しジメジメした感じがする。
水源が近くに有るのかも知れない。
二階層に足を踏み入れ、辺りを見回すと所々に苔が生えており、薄っすらとヌメりけが伺える。
こう言う所での戦闘は、足を滑らせる危険がありそうで、慎重に対処しないと手痛い反撃を受けそうだ。
俺は奥へとは進まず、その場でジッと待つ。
それは初の二階層なのとソロだと危険な為、慎重に行動する事にした。
待つこと十数分。
やっと現れたみたいだ。
「現れたな・・スライム」
奥から蠢きながら現れたスライムは、薄っすらと青みがかったゼリー状な形態をしていた。
動く速度はあまり速くはなさそうだ。後は攻撃方法だが・・
ネットに書かれていたのが本当なら問題無いはず。俺は意を決してスライムの前に出た。
このスライム、斬っても突いても叩いても効果が薄いとネットに書かれていて、現状だと対策が無いとされている。
それと、スライムは地面だけじゃなく、壁や天井にまで這って移動出来、天井から落下してきて補食してくるらしいので注意が必要だ。
ちなみに高ランク探索者は力任せの一撃で倒す事は可能らしいが、無視して通りすぎるのが一般的だそうだ。
それぐらい面倒な相手と言うことらしい。
一方で、スライムの攻撃方法は密着して『酸で溶かす』なので、動く速度が遅いスライムは注意していれば接触されることはないとのこと。天井だけは要注意なのだけど。
ちなみに、一般探索者は『逃げ』の一択だそうだ。
某ゲームの中じゃ最弱のはずなのに・・・
そんなスライムを見てみると確かに動きが遅い。
そして『酸で溶かす』との情報を確かめる為にポケットの中にあるタバコを一本取り出し、スライムの前に投げた。
タバコはスライムに軽く当たり、数センチ手前で止まり、それを補食するかのようにスライムがノソノソと前進した。
『パクッ』と言う表現が合っているかどうかはわからないが、確かに補食したようだ。
そのままジッと待ち、消化されたのかを確認する。
『シュワシュワ』と細かい泡が見え、消化しているようだった。
そして、スライムは特に変化もなく蠢いたまま、何処かに行こうとしていた。
そんな後ろ姿を見送りながら・・・
って何をしてるんだよ俺。
餌与えて見送るってなんだよ。
餌を与えて見送ってる場合じゃなかった。
スライムを見つけたのだから一度戦ってみよう。危険なら逃げればいいのだから。




