08話 再生
とまぁ、エンマ様からおおまかな事件の概要を聞いた俺は、早速現世に戻り諸悪の根源のルシファー討伐に向かった。
赤ん坊の姿で・・・。
エンマ様が言うにはこのまま現世に戻ったとしても返り討ちにあうのは明白。
無駄死になるのは目に見えてわかる。
そこでエンマ様は対抗措置として俺の身体能力を大幅に上昇させ、ルシファーを倒せるくらいまで成長させるにはもう一度自分の人生を一からやり直さねばならないというものだった。
つまりは俺を過去に再生させ、ルシファーを倒すことにより未来を改変するというものだった。
いわゆる転生ではなく自分の人生を再びやり直すのだから再生と呼ぶべきだろう。
まさか、また自分の人生を一からやり直すことになるとはな・・・。
死んだら生まれ変わるとかあったらいいなと思っていたけど。
そういえば、どこかの本で読んだけど、もしも生まれ変わってもまた自分に生まれたいか?という質問に考えさせられたことがあったっけ。
その問いにイエス!と自信を持って答えられなかったな前世の俺は。その代償なのかもしれないな。
まぁ考えても考えても答えは出ないよな、こういうのは。
気づけば赤ん坊の状態に戻り、俺が生まれ育った実家のベットの上だ。
懐かしいな、実家なんてもう何年も帰っていなかった。
住み慣れた実家、赤ん坊の俺をあやす母と父の姿が見える。
あぁ、両親もこの頃は若かったな。
久々に会えて感慨深いものがあったが、そんな呑気なことも言っていられなかった。
「ハジメン!聞こえますかー!おーい、0歳のハジメンー!!」
脳に甲高い女声が聞こえてくる。この声は地獄で出会ったエンマ様の側近の鬼丸ツナの声だった。
どうやらテレパシーのようなもので、周囲には聞こえず脳に直接響いているような状態だった。
俺も頭の中で思ったことを口に出さず、返事をしてみた。
「聞こえてるよ!全く、人が久々に両親の顔を見て感動してるときに。」
「それは、ハジメンが仕事とかで忙しいとか理由をつけて中々実家に帰らなかったからでしょー。
それに、両親には親孝行とかしといた方がいいっすよ。死んでから後悔するんじゃ遅いんですよ。」
耳が痛いな。確かにその通りだ、俺一回死んでるんだもんな。
「おう・・・。で何の用だよ?正直ここに再生したのは分かるんだけど、これからどうしろと。
今のままの状態ではルシファー討伐まで相当な年月がかかるぞ。お前は俺と最初に会った時間軸、つまり俺が死んだ時代にいるんだろ?」
「そのことなんですが、確かに私達はハジメンが殺された時代の時間軸にいます。ですが、我々の標的であるルシファーの行方が現在掴めなくなってまして・・・。」
「おい、どういうことだよ。どこかに潜伏しているんじゃないのか?お尋ね者なんだろルシファーって。」
「はい、我々討伐隊も様々な情報網で探してはいるんですが。未だ発見できず・・・。とはいえこれは我々にとっては反撃のチャンスです!今のうちにハジメンがあいつより強くなればいいんですよ!」
「いやいや、ちょっと待て。俺は今0歳児だぞ?どうやってあいつを倒せる強さを身につければいいんだよ?」
「あーその点は問題ないですよ。」
「え?」
「だってもう力はハジメンの中にあるんだし。」
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