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アイザック焼き

 あの日からアレックスとも仲良くなりよく話すようになっていた。アレックスは他の友達ともすぐ仲良くなり、休み時間や昼休みなどはみんなと集まって雑談をよくしていた。


 そんなある日、リディアナからある提案が出た。


「皆、今度の休みは空いてる? 街に買い物にでも行かない?」


 リディアナから買い物の誘いだった。


 入学してから休みはあったが、まだ街に出れてなかったから僕にとっては丁度良い提案だった。


 リディアナの提案に皆が相次いで返事をした。


「ごめん、アナ、その日は予定があるの。また他の日なら付き合うわ」


 アンジェリカは残念そうに返した。


「ごめん。僕もその日は学園の手伝いがあるんだ。また次の機会に誘って」


 ロイスもとても残念そうだった。


 平民のロイスは特待生として入学しているため学園でかかるお金は全て免除されている。その代わりに月に2度の学園の手伝いを義務付けられているそうだ。

「ごめんなさい。わたくしもその日は用事が入っておりまして行けませんの。また誘ってください」


 イザベルも予定があるようだ。入学同時に比べ、トゲトゲした感じもなくなりリディアナともとても仲良くなった。


「俺もすまない。その日は知り合いと武術の鍛錬をする予定で空いてないんだ」


 なぜかアレックスは棒読みだった。


 みんなから断られたリディアナは最後の希望である僕に視線を送ってきた。


「トーラスは……トーラスはどうなの?」


 リディアナはとても必死だった。


「僕は空いているよ。実は街に出たいと思っていたんだ。リディアナ一緒に行ってくれるかい?」


 僕の言葉にリディアナは満面の笑顔だった。


「もちろんよ。じゃあ決まりね。次の休みの日に出掛けましょう!」


 その後、僕とリディアナは二人で当日の打ち合わせをしていた。


 そんな僕らを生暖かい目で見ている他の四人に気づかずに。


 そして時間が流れて休みの日になった。


 僕は私服に着替えて集合場所の学園の正門に向かった。


 そこにはすでにリディアナともう一人、剣を腰に携えた女性が側に控えていた。 


「おはようリディアナ。早いね。私服姿もかわいいね。とても似合ってるね。ごめん。待たせてしまったかな?」

「おはようトーラス。本当にトーラスの女の子に対する無自覚攻撃はすごいわね。大丈夫よ。今来たばかりよ。そうだわ。紹介するわね私の護衛をしてくれているフィオーネよ」


 リディアナはすぐに護衛の女性を紹介してくれた。護衛の女性は頭を下げよろしくおねがいしますと言った。


 今回の買い物には僕とリディアナの二人の護衛も同伴する。いくら王都が安全といっても貴族の子供が二人で歩くのは危ない。

学園側もそういうときのために学園に護衛を連れてくることを許可しているのだ。 


「彼は僕の護衛をしてくれているフロースです。とてもいい人なのでフィオーネさん仲良くして上げてください」


 僕の紹介の後、フロースはフィオーネさんを見ながら顔を赤くしながらよろしくお願いしますと言った。


「さぁ行こうよトーラス。まずは馬車に乗って王都の中心に行きましょう!」


 リディアナはすごく楽しそうだった。


「そうだね。僕も今日がすごく楽しみだったんだよ。今日はいっぱい楽しもうねリディアナ!」


 その後、馬車に乗り、目的地に向かった。


 目的地に着くと、そこには数々の店が建ち並びたくさんの人がいてとても盛り上がっていた。


「さすが王都の中心街だね。人がすごいね」


 僕は驚きを隠せなかった。


「どうしたのトーラス? 始めて街並みを見たみたいだよ」


 リディアナの言う通り始めてだった。王宮から始めてく出た時も馬車からしか景色を見れなかった。宿屋でも窓を開けさせてもらえなかったんだ。


「僕の故郷は田舎だからね。こんなに人がいるのがめずらしくてね」 


 とりあえず誤魔化してみた。


「そうなのね。じゃあたくさん店を見ましょう。王都には様々なものが入ってくるわ。今まで見たことのないものもたくさんあるはずよ。とりあえず歩きましょう!」


 リディアナに同意して僕らは歩き始めた。


 護衛の二人は街に溶け込みながら僕らの少し後ろをついてきている。


 少し歩くととてもいい匂いがしてきた!


「リディアナ、あれなんだろ? すごくいい匂いがするよ」

「あれは王都名物のアイザック焼きよ。食べてみる?」


 僕はリディアナに同意して店に向かった。


「いらっしゃい。これはかわいい二人組だね」


 店主のおばさんはとても明るい方だった


「アイザック焼きいだだけますか?」

「はいよ!少し待っておくれ」


 そう言うと旦那さんらしき人が奥から出て来て調理を始めた。


 僕はその間にアイザック焼きの由来を聞いてみることにした。


「おばさん、なぜこの料理はアイザック焼きと言うんですか? 由来は人の名前ですか?」


「そうだよ。なんでもこの国の女神さまであらせるセレスティーナ様がこの国をお作りになった時の仲間の方にアイザック様という方がおられてその方が考案されて広まったと言われているよ」


 なるほどと二人で感心していると料理が完成したみたいで手渡された。お金を渡し、側のベンチで食べる事にした。


 アイザック焼きを食べると、なんか食べたことがある味だった。いつだろうと? 考えていると答えにたどり着いた。


これはお好み焼きだ。間違いない! 少し形状は変わっているけどこのソースとマヨネーズのような味、具材のキャベツのような食感。まさに前世で食べた事があるお好み焼きそのものだった。偶然? もちろんこの世界には前の世界と同じようなものはたくさんあるけど、少しずつ味が違う。しかしこれはまさに同じ味だ。僕はこの料理を広めたというアイザック様に少し興味が湧いていた。


「トーラスどうしたの? 美味しくなかった?」


 リディアナは心配そうな顔で言ってきた。


「すごく美味しいよ。今まで食べた事がない味でびっくりしただけだよ」


 僕の言葉にリディアナ安心したようで食べ終わったら次は雑貨屋に行きたいと言ってきた。


 僕が肯定すると、嬉しそうにアイザック焼きを食べていた。


 僕らは食べ終わると、店のおばさんに美味しかったですと一声かけてその場を後にした。そして、側の雑貨屋に向かった。


次回も街での話となります。

二人ともに自覚はありませんがどう考えてもデートですよね!

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