オススメの料理
前の更新からとても時間が経ってしまいました。次の投稿も今はいつになるか今は少しわからない状態です。申し訳ないです。
「はぁ~! 買ったわ! 大満足! 新作の香水もあったし、街に来れて本当に良かったわ。皆も楽しんでくれた?」
アンジェリカは買い物を楽しみ抜いたようでとても晴れ晴れとした顔をしていた。その一方周りを見渡すと……
「楽しかった? じゃねぇよ! 一体何店舗回ったと思ってるんだよ。心行くまで買い物しやがって、増えていく荷物を持たされる俺達男組の気持ちを考えてみろよ。なぁ、ロイスもそう思うだろ?」
「僕は全然平気だよ。アンジェリカが楽しそうで何よりだよ。アレックスこそ日頃鍛えているんだからこのくらいで根を上げちゃ駄目だよ」
「あぁ、ごめん。話をふる相手を間違えたぜ。今のロイスは最強だもんな。カルロス、トーラスも何か言ってくれ」
「僕も少し疲れたかなぁ。荷物は使用人の方達が屋敷に持っていってくれたからもう大丈夫だけど、流石にお腹空いたなぁ」
「そうだね。カルロスに同意。お腹空いたよ。アンジェリカ、そろそろご飯を食べに行かない?」
「皆根性ないわね。ロイスを見習いなさいよ。護衛の人達が持つっていうのを断って、女性の買った荷物を持つのは男の仕事だよ、気にせず存分に楽しんで! って言ってくれたのよ」
「はいはい。もうわかった。俺が悪かった。腹減ったからどこか入ろうぜ」
「何だか釈然としないわね。まぁ、いいでしょ。私もお腹空いてたし。実は皆に食べて欲しい料理があるのよ。すぐそこだから食事はそこで取りましょ」
僕自身店を回るのは楽しかったし、別に荷物を持つのは苦じゃなかったけど、流石にアンジェリカの勢いは凄かったな。
この通りの全ての店に入ったんじゃないかっていうくらいだったし。普段買い物慣れしてるであろうリディアナとイザベルですら途中からついていけてなかったようだしね。
その反面ロイスは凄かったなぁ。ずっとアンジェリカの横について、笑顔で店を回っていた。ちゃっかりお揃いのアクセサリーも買ってたし、愛のパワーは偉大だなぁ。
かくいう僕も密かにリディアナとお揃いのアクセサリーを買った。アレックスもイザベルと最初の方は楽しそうに店を回っていたし、きっと何か買っているはずだ。
「それでアンジェ、今から行く店ってローズガーデン?」
「そうよ。そういえばアナは一緒に行った事あったわね」
「うん。凄く美味しいよね。特にパスタとピザが絶品だった」
「そうそう。私が食べて欲しいのは正にそれよ。皆覚悟しといてね。美味しすぎて頬っぺた落ちちゃうわよ」
「へぇ~それは楽しみだぜ」
「お手並み拝見ですわね」
「あっ! 見えて来たわよ。あの店がローズガーデンよ。素敵でしょ!」
アンジェリカの指差す方を見ると、1階建てのログハウスのような建物があり、その壁には無数の植物? が生えており、所々に様々な色の薔薇が散りばめられて正にローゼンガーデンの名に相応しい外観であった。
「凄いね。斬新というか……でも纏まりもあって凄く綺麗だね。だけど手入れが大変そうだね」
「大変だと思うわよ。でもここの主人の奥さんが元庭師だから趣味も兼ねてるからこの外観は生き甲斐らしいわ」
「なるほど」
「それじゃあ皆入るわよ」
「「「「「「はーい!」」」」」」
カランカラン
「いらっしゃいませ! 何名様でしょうか?」
「7人よ。奥の席は空いてるかしら?」
「まぁまぁアンジェリカお嬢様ではありませんか! お久しぶりですね。今年の休みは街に来れなかったからとても心配していたんですよ」
「あらら。ごめんなさいね。実はここにいる友人達と領地を回っていたのよ。数日前に帰って来てずっとお母様に捕まってて街に来れなかったのよ。」
「そうだったのですね。安心しました。きっと街の皆も心配してますよ。また会ったら言っておきますね」
「それは大丈夫よ。さっき通りの店は全部回ったから」
「あらあら。それは他の皆さんは大変だったでしょう」
「何か言ったかしら?」
「いえ。街の皆は私も含めてお嬢様が大好きですので嬉しかっただろうと思いまして。では奥の席に案内しますね」
「よろしくね」
席に向かう間も食事をしているお客さんがアンジェリカに気がつくと、皆アンジェリカに話しかけていた。アンジェリカはとても街の人に好かれているみたいだ。皆、お嬢、お嬢言っていた。
「アンジェリカは街の人に愛されてるね。まぁ当然だよね。明るくて可愛いアンジェリカを好きにならない人なんていないしね」
「もう! ロイス、恥ずかしい事言わないでよ」
「ごめん。つい僕も嬉しくて」
「嬉しい?」
「素晴らしい人達が居て素晴らしい物に溢れていてそんな場所で過ごしてきたアンジェリカを間近で見る事が出来て僕本当に嬉しいんだ」
「……」
アンジェリカが顔を真っ赤にしている。ロイス……この街に来て人格が変わっちゃったんじゃたいかってくらいフルスロットルだなぁ本当に。でもそれくらい好きなんだよね。もし、僕が同じ立場だったらリディアナにガンガン攻めていくだろうし。頑張れロイス!
「お熱いところ悪いだけど、ここのオススメは何なんだ?」
「オススメ……そうね。そうよね。先ずは食事よね。そう。何と言ってもここのオススメはパスタとピザよ」
「それさっきも聞きましたわよ」
「あらそうだったかしら」
駄目だ。アンジェリカは思考が追い付いていないようだ。
「じゃあパスタは一人一つ好きなものをピザはアンジェにオススメを二枚頼んでもらってシェアっていうのはどう?」
「意義無し!」
「私もよろしいですわよ」
「僕も」
「ありがとうアナ。じゃあピザはトマトソースとモッツァレラチーズのピザとホワイトソースとベーコン、卵のピザにしましょう。パスタは皆好きなの選んで」
何とかアンジェリカは持ち直したようだ。リディアナ、グッジョブだね。
「どれも旨そうだなぁ。アンジェリカオススメはなんだ?」
「要望は?」
「ガッツリ系で」
「そうね。じゃあローズ豚堪能スペシャルガーリックパスタはどうかしら?」
「旨そうだなぁ。じゃあそれで!」
「私はこの魚介と季節野菜のクリームパスタにしますわ」
「僕はベーコンとオニオンのピリ辛トマトパスタにしようかな。」
「私は魚介と季節野菜のトマトクリームパスタにしよう」
「えっ!! どうしてアナはそれなの。前食べたあれを食べないの? アナも絶賛してたじゃない?」
「美味しかったよ。びっくりするくらい。だからこそ今回は他のパスタが食べてみたいのよ」
「そうなの……そうよね。他も凄くおいしもの」
「それでアンジェリカがいうオススメのパスタはどれなの?」
「よくぞ聞いてくれたわトーラス。それはこのローズ豚と卵とチーズのクリームパスタよ! 他のパスタも本当に美味しいけど、このパスタは私にとって別格なのよ」
その材料の組み合わせはまさかカルボナーラ!!!
「カルボナーラ……」
「カルボナーラ? 何それ?」
「何でもない。忘れて。凄く美味しそうだね。僕もそれにしようかなぁ」
「絶対に後悔させないわ。ロイスはどうする?」
「じゃあ僕もアンジェリカと同じにするよ」
「何だか私もそれにしたくなってきましたわ」
「これ以上増えたら偏りすぎるからイザベルには特別に私が一口あげるわ」
「わかりましたわ」
注文する料理も決まり、店員さんを呼び料理を注文した。料理が来るまで喋っていると、料理が運ばれてきた。
「旨そう! このニンニクの香りがたまんねぇ」
アレックスのパスタはオイルベースのパスタだね。いわゆるペペロンチーノっていうやつだ。
「私のは魚介と野菜がたっぷりですわ」
イザベルのはオーソドックスなクリームパスタみたいだ。そこに沢山の魚介と野菜が入っている。
「凄くいいにおい。食欲がそそられる」
カルロスのは多分アラビアータかな。ピリ辛のトマトソースパスタ。
「エビがプリプリしてる。美味しそう」
リディアナのはイザベルのと違いドカンとエビが君臨していた。前世でいう伊勢海老やオマール海老くらいの大きさのものがのっていた。あとパスタの形がフィットチーネ平打ち麺だった。
そして最後に残り3人の前に料理が置かれた。そこには正しく前世でいうカルボナーラの姿かあった。
「黄色いね。これは卵? でも卵って火を入れたら固まるものじゃないの?」
「そうよねロイス、そう思うわよね。でも固まらないのよ」
「どうして?」
「えっ! それは……」
「知らないの?」
「うん」
「ハハハ。それはな。絶妙な火加減で卵の卵黄だけをソースに混ぜてるんだぜ!」
ロイスの疑問を答えたのはコック服を着たガタイのいい男性だった。
「ガゼフじゃない!」
「久しぶりだなお嬢、元気にしてたか」
「お嬢は止めてって言ってるでしょ」
「それは無理な話だぜ。この街の俺らくらいの男どもにとってお嬢はお嬢何だ」
「あんた! お嬢様に何て口聞いてるんだい! それに食事の邪魔だよ。話があるなら食後にしな。ほら、さっさと厨房に戻りな」
先程の店員さんにそう言われると、ガゼフさんはキョトンとして厨房に下がっていった。やはり先程の店員さんがガゼフさんの奥さんのようだ。
「すみませんね。ゆっくり食事を楽しんでくださいね。終わったら呼びますから」
「ありがとうアルビノさん。じゃあソースの疑問は後にして食べましょう」
そして皆、思い思い目の前のパスタを食べ始める。
「うめぇー! 豚はジュシーでボリューム満天。一緒に入ってるネギのシャキシャキ感もまたたまんねぇー」
「私のも美味しいですわ。クリームが濃厚で魚介と相性が抜群ですわ。特にサーモンが美味しいですわ」
「イザベルの一口くれよ。俺のも一口やるから」
「えっ! はい? はい。いいですわよ。どうぞ」
「ありがと。おう! これもうめぇな。ほらイザベル、この肉も旨いぞ」
アレックスはそう言うと、自分のフォークに肉を差しそのままイザベルの口に近づくた。
「えっ! 何してますの!」
「食べさせてやろうと。嫌か?」
「……問題ありませんわ」
「そうか。じゃあ、あーん」
アレックスがそう言うと、イザベルは恥ずかしそうに肉を食べた。
「どうだ? 旨いだろ?」
「はい。美味しいですわ」
端から見てイザベルは戦闘不能間近だ。しかし、アレックスは手を緩めない。続いてパスタをフォークに巻き取りイザベルの口へ。もうイザベルは抵抗もなくあーんされていた。この瞬間イザベルの残りHPは0となった。
「カルロスのはどうだ? 旨いか?」
「うん。僕のは少しピリ辛なんだけど、凄く美味しい。ベーコンと玉ねぎもよくソースに合ってて最高だよ。一口食べる?」
「サンキュー!」
「私のはエビがプリプリよ。麺の形も皆のとちがって平たいし、ソースによく絡まって美味しいわ。ほらイザベルあーん」
「えっ! はい」
もはや餌付けされている子犬状態であった。
「トーラスはどう? 美味しい?」
「……」
「トーラス?」
今の僕は正に目の前のパスタに魅せられており、リディアナの声が届いていなかった。
「あっ! ごめん。集中してた」
「珍しい。トーラスはその料理に思い入れがあるの?」
「いや、珍しいからついね。それじゃあ食べようかな」
僕はパスタをフォークに絡め、口に運ぶ。その瞬間、口の中にチーズの香りが広がる。美味しい。とても濃厚だ。肉の風味、卵、チーズ、クリームが絶妙なバランスで調和されている。ヤバい。涙が出そう。
「どうしたの? 泣いてるよトーラス」
「ごめん。美味しく」
「泣くほど美味しい。分かるわ。私も最初食べた時泣きそうになったもん」
もちろん泣いたのは美味しかったのはある。でも最大の理由は前世だ。前世で病院にいる事が多かった僕は好きなものが食べれなかったそんな中、何個も元気になったら食べてみたい料理はあった。その中にカルボナーラがあった。
カルボナーラって言っちゃなんだけど、濃厚の固まりだよね。ベーコンの脂、生クリーム、チーズ、卵、どれも前世の僕、特に最後の数年にとって食べれる組み合わせではなかった。
この世界に転生してずっと食べたいと思っていたけど、今まで出会うことが出来なかった料理。正に感無量である。
その後は、各々パスタを交換したりして食事を楽しんだ。途中にきたピザもとても絶品でさいこうだった。




