親友の頼み(マアサ視点)
祝10話目です。
これまでは読む専門でしたので10話書く苦労を実感しました。これからも頑張って話数を増やしたいと思います
今話はマアサ視点となります。
私の名前はマアサ・アシュレー。
元はこの国の男爵家の次女だったが現アシュレー伯爵と結婚して今の名前になった。
子どもは男の子1人女の子1人いて自分で言うのもなんだが夫婦仲も良好だ。
今は王宮で第三王子付き侍女をしている。
最初夫からは反対された。
なぜ君が王宮で侍女をしなければいけないんだと言われた。
夫の言葉は正しい。別にアシュレー伯爵家の財政は苦しい訳ではないのだ。
ならどうしてかと言うと親友に頼まれたからだ。
私には学園時代からずっと仲良しで同い年の親友がいた。そして、その親友はなんとこの国の第三妃であるリディアだ。
私は彼女と王様の結婚話が出たとき彼女に直接言ったのだ。
「リディア結婚はやめるべきよ。結婚してもあなたは第三妃なのよ。上には公爵家・侯爵家の女性がいる。あなたは一番にはなれないのよ」
私はリディアには幸せになって欲しかった。昔からずっと仲良しで自分の事をたくさん助けてくれた。
今の旦那様と結婚できたのだってリディアの助けがあったからなのだから。リディアにはいつも笑顔で自由でいてほしかった。
「いくらマアサに言われたって聞けないわ。私は彼を愛している。それにお腹には彼の子どもが宿っているの!」
私は絶句してしまった。彼女はもう私の手の届かないところに行ってしまった。
そう思うと寂しくなって私は心にも無いこと口にしてしまった。
「なら私はもう何も言わない。王宮に入って苦労するといいわ。サヨナラ妃様。もう気軽に話ができる関係ではなくなるわね」
そう言うと私はリディアの顔を一目見てその場を立ち去った。
そしてリディアの結婚が国から正式に発表されリディアは王宮へと移っていった。
私はずっと後悔していた。最後にリディアに浴びせた言葉、そして最後に見たリディアの顔が頭から離れない。
しかし、その頃、私は第二子となる子供の妊娠が分かりその事から目をそらした。そして娘のリディアナが生まれた。
初めての娘ということもあり娘を可愛がった。
この子を上の子と共にしっかりとした子に育てようと一生懸命頑張った。
周りの支えもあり子供たちはすくすくと成長していき気づけばリディアと最後に別れてから10年の時が経った。
育児も落ち着きふとリディアの事が頭をよぎった。今リディアはどうしているのだろうか? 元気にしているだろうか? そのような事を考えているとふと疑問に思う事が出てきた。
王子・王女のことは王宮にいなくてもいろいろ聞こえてきた。
第一王子のこと、第二王子のこと、第一王女のこと、末の第二王女のこと。しかし、リディアの子どもについての情報が全く無かった。
生まれた時に男子であるということは発表された。しかし、思い返して見てもそれ以外の情報が無いのだ。私は急に心配になった。
もしかして、リディアの子どもに何かあったのだろうか? そう思うといてもたってもいられなくなって夫に聞いてみた。
夫は伯爵家当主としてだけでななく王宮で文官もしているのだ。
その日の夜、夫にリディアの息子の事を聞いてみた。すると、驚愕の答えが返って来た。
「第三王子は今、王宮で完全に放置されている状況だ。最低限の教育は施されているようだが、専属の侍女もつかず最低限食事の世話をするものがいるだけだそうだ。母親である第三妃とも別々に暮らしているみたいだね」
「なぜ、王子であるのにそんな目に合っているの?」
「今王宮では第一王子と第二王子の間で次の王太子を決める争いが起きているんだ。二人の母親は公爵家と侯爵家出身だからね。男爵家出身の第三妃が割り込めるわけもなく第三王子に下手にしゃしゃり出てほしくない妃二人が圧力をかけてろくな教育も受けさせてないみたいだ。王もこの事に関しては口をつぐんでおられるのだよ」
私はもう夫の言葉が入ってこないくらいに放心状態だった。
リディアの息子が王宮でそんな目にあっていたなんて。
どうしたらいいの? 私には何ができるの?
話を聞いてから私は一晩中、何か策がないか考えていた。




