雰囲気
意外
翌日の日曜日に杏菜とパパが河原に向けて家を出ようとしたらママも行くということで3人で車に乗って河原に向かった。
近づくと川の近くにある河川敷でユニフォームを着た子達がグラウンドに集まっている。白いユニフォームに胸元を見ると赤字の英語でPhoenixと書かれていてここだと確信した杏菜。
とはいえ、駐禁であろうとなかろうと道を塞いではダメだとカーナビで近くのコインパーキングを探して駐車して練習している場所に親子で移動する。
大きい声で活気がよく、必死に白球を追いかける姿にパパはリトルリーグに入った日を昨日の出来事みたいに思い出したのか突然泣き出した。涙を拭ってベンチに向かう。
練習に参加していたのは男の子13人と思ったよりも少なくて驚く。声をかけて挨拶をいまするべきなのか?それとも練習が終わった後に挨拶したらいいか様子を伺ってる。
しばらく様子を見ていると1人の男性が声をかけてくれた。その男性は福山Phoenixリトルのコーチを務める人で、杏菜が挨拶をするとベンチで見学して行ってくださいと案内された。
杏菜がグラウンドを眺めていて思ったのは、まずこのチームに馴染めるかどうか。監督やコーチといった大人達とソリが合うか。そこを見ていた。15歳の杏菜の時、部活で監督の扱きが酷くて部活を辞めちゃった。学校外でのクラブチームで揉めたという話を聞いていたから少しばかり不安に感じていた。
練習が終わって、改めて監督さんに杏菜に声をかけてくれて練習を見させてもらった旨を伝えた。監督は帽子を取って挨拶する。
「初めまして、福山Phoenixリトルの監督を務めている水瀬と申します。先日、バッティングセンターにて杏菜さんの姿を見て、とても初心者とは思えないくらい素晴らしいバッティングで思わず声をかけてしまいました」
杏菜は水瀬監督に尋ねた。
「このチームの方針はどういう感じですか?テレビで体罰や行き過ぎた指導でその競技を辞める人もいるって聞いているんですが……」
さすがにほぼ初めましての人に聞くべきではなかったかな?熱血と体罰は似ていて違うと感じていた。
すると水瀬監督は答えた。
「このチームの方針というか、自分のポリシーとして楽しく野球をする。当然、気の抜いたプレーや危ないと思ったら叱るけど、監督コーチだから上、選手だから下とかそういう考えはない。今いる選手もそうだし、もし杏菜ちゃんが入団する事になったら練習中でも試合中でも声をかけて」
その話を聞いて入団しようと考えたが、1つ着替え問題がある。それについて聞くと河川敷を挟んだ向こう側に緑地公園があってそこには更衣室あるからそこで着替える形になるかな。
不便をかける形になるけど、入団してもらえると嬉しいと頭を下げている姿を見てパパとママの前なのかそれとも物腰の低い監督さんなのかこの時はまだ分からなかった。
練習が終わってスポーツ用品店に行って入団手続きとユニフォームの採寸をする為に女性店員さんに案内をされてサイズを測った。ユニフォームや帽子、鞄といったものを注文をした。
後はスパイクやグローブだが、正直どれがいいのか分からずにいた杏菜であった。




