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あとがき
それからずっと後のこと。
霧の街には、大きなシーラカンスをかたどった装置が作られた。
それは海と潮通し水路をつなぎ、止まりかけた水を汲み上げ、リネアの考えた濾過の仕組みで白い成分を少しずつほどいていく。
装置の胸の奥では、あの旅の少女が歌った拍子をもとにした小さなオルゴールが、今もかすかに動き続けている。
霧の朝、耳を澄ますと、街のどこかでその音が聞こえることがある。
それは呼吸の音にも、海の音にも似ている。
そして人々は、その音を聞くたびに、今日もリネアの工房で新しい発明が始まっているのだろうと、少しだけ笑うのだった。




