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8話 イルの苦悩と旅立ち



◇◇◇◇◇



ー冒険者ギルドー



「なぁ?聞いたか?

あの宮廷魔術士パーティ…

ラスボス戦で全滅したんだって!」


「マジか⁈

あそこのパーティ、確か、

冒険者ランクも最上級じゃなかったか?」


冒険者ギルドの待合室では、

連日この噂で持ちきりだった。


この町の近くには、

世界有数の未踏破最強ダンジョン…


"ブレイブダンジョン"があった。


冒険者達は皆、ダンジョン最奥に

存在しているという、ラスボスを倒すことを

目標に挑戦するのだが…



「最上級ランクの冒険者でさえ

敵わないとか…どんだけ強いんだ⁈

ブレイブダンジョンのラスボスは!」



未だダンジョン最奥のラスボスを

倒した者はいない。


そもそも…

そこいらの冒険者では…

ダンジョン最奥へ辿り着く事もできまい。



「ラスボスって…

大昔に世界征服を目論んだっていう

魔王くらい強いかな?!」

「魔王を倒した勇者様くらいかもなぁ?」

「あははは!御伽噺かよ⁈ 」



『実は僕がそのラスボスなんだよね』



ギルド受付の列に並んでいる駆け出し冒険者のイルは…周囲の話しに、心の中でコッソリと

そう答えていた。



『まぁ、絶対誰も信じる訳無いけど』



それは…当然だろう。


どこから、どう見ても…

初心者冒険者なのだ、自分は。


しかも…我ながら雑魚弱い。


こんな自分が、有名ダンジョンでのラスボスは…無理があり過ぎる。


ま、それもその筈。

ラスボスだったのは…過去の自分。


前世の肉体だ。


残念ながら…転生した自分の現在は…

こんな雑魚なんだよな。



そんな自分もコツコツ修行を積んで

立派な冒険者となるべく…


こうして、ダンジョン探索の依頼を

貰いながら実績を積んでいる。


今日も、今話題に出ていた

ブレイブダンジョンへ行くのだ。


ダンジョン浅層は初心者でも入れ、

出現する魔物も弱く、


浅層での魔物退治の依頼仕事が

割とあるのだ。


とはいえ、今の実力では浅層といえど、

真剣に取り組まないと

依頼達成もままならないのだが…



「まさかこの僕が…こんな浅層の

ダンジョンで苦戦するなんてなぁ」



イルは、誰にも気付かれないくらいの声で、

こっそり呟く。


そして、じっと自分の手を見る。

見慣れた手…とは言えない、まだ幼さの残る

少年の手…


"ブレイブダンジョン"のラスボス…

前世の自分は…



今は訳あって封印されている。



けれど…

かつての仲間、リーン様の力になりたくて…


封印された肉体から魂だけ抜け出し、

今世の身体へ転生したのだ。


新しい肉体でも…

昔と同じよう、活躍できると思っていた。


だが、


現実は…


全く違った。


この体は真性、雑魚デブニートキャラ!

痩せないし筋力付かないし…


冒険者として、致命的な体だったのだ!!



『これじゃ、何のために転生したのか』



イルは、情け無くてため息を吐いていた…



そんな時だった。



◇◇◇◇◇


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