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175/175

175話 ダルムの町長


◇◇◇◇◇



ドワーフより、饗しをして貰ってから数日後…


リーンは、

ドワーフ代表に町長復帰を打診していた。


最初は、今更…己が出て来ても町民の信頼を得られまい…と、辞退していたドワーフ代表だったが…



「地下へ隠れたのは…

アーティファクトを悪魔から守る為もあったろうが…無関係の町民を悪魔の攻撃から守る為でもあったのだろう?


町民は、そんな町長の勇姿を知れば無下に跳ね除ける訳がないと思うのだ」



と、リーンに諭されてしまえば反論もできず…



「一先ず、町に出て…ギルドへ相談してみるのもいいのではないでしょうか?」



白の聖者からも後押しをされれば、もはや恥を凌いで地上へ出るしかなかろう。



「うお…眩しい…」



ドワーフ達にとっては、数年ぶりの地上だ。

種族柄、地下の方が居心地は良いのだが…

それでも、地上の新鮮な空気は美味く感じられた。



「色々準備もあるだろうからな、数日後に地上で落ち合おう」



リーンにそう約束され、

荷物を纏めて一族で地下から出て来たドワーフ代表らは…



「ランヤ町長…!」



懐かしい友人の声を聞いた。 

リーン達一行が見守る中、駆け寄って来た人物は…



「おお…カーレイ館長か!」



駆け寄り、懐かしそうに声を掛けたのは、

以前、探索中に行った図書館の司書だった初老の男性だ。



「何も言わず姿を消して…すまなかった」


「いえ、良いのですよ…事情は聞きました。

…貴方が無事で何よりです」


「今度ゆっくり飲み合おう!新作のカラクリも見せたいしなぁ」



そうして、ドワーフ代表と図書館の司書の男性は握手を合していたが…



「ランヤ町長…」



また別の人物に声を掛けられる。

振り向けば、これも懐かしいギルド支部長の顔だ。



「ギルド支部長か…申し訳なかった…

町の事を押し付けてしまった…」



ドワーフ代表は申し訳ないと、頭を下げる。



「いや、状況的に仕方がなかったでしょう…

しかも町に潜伏していた悪魔が…かなりな高位悪魔だと聞き…

寧ろ、町長の判断が町を救ったとも言えますから」



ギルド支部長のそんな言葉に、ドワーフ代表はとんでもないと首を振る。



「全ては、リーン様方のお陰です」



ドワーフ代表の言葉に、ギルド支部長も肯首し…リーンに礼を取る。


虹色の冒険者プレートを持つお方…


このお方の事は…

ギルド本部から通達は来ていた。

…だが、詮索はせず、言葉も掛けず…存在を極力世間に吹聴してはならぬとの通達だった。


ギルド支部長は、リーン達へ目を伏せ礼を取った後、ドワーフ代表へ向き直る。



◇◇◇◇◇


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