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160/163

160話 リーンの涙と、フィアロアの怒り


◇◇◇◇◇




「アーティファクトが…無くなっている?」



それは、イル達の失踪と関連があるのか?


…それとも


リーンは、息を飲み込む。

唇がほんの僅かに震える…


それとも…あの小悪魔が…持ち去ったのか?



考えたくない思考がリーンの頭を巡る。



「小悪魔……?キサマが…持ち去ったのか?

…そうじゃないと…信じさせてくれ…」



リーンは、ぎゅっと目を瞑る。

瞼の裏には、小悪魔の笑顔が浮かんだ…


目の端から涙が滲む。



◇◇◇



処刑人の女に誘われ、ひっそりとした町中を歩く事、四半刻ほどは歩いただろうか。


辺りは暗さを増し、どこからともなく満ちてきた靄により、更に視界が狭くなっていた。



「この靄は…

気配消しの魔術から生み出されているのぅ」



イルを追って、尾行していたフィアロアは

周囲に、術による結界のようかものが施されている事に気付く。


これは、戦闘力の高い者が入ろうとしても、煙に撒かれ、追い出されてしまう効果がある術だった。



「この先にいる存在は…かなりの魔術の使い手か…それとも上級…以上の悪魔かもしらぬ」



フィアロアの眉間に深い皺がよる。


もしも自分の身体が、完全体だったなら…

絶対的な力で捩じ伏せられただろうが…



「ふん、儂がもし、本体の体だったなら…

あの女に誘惑に負けた時点で、イル諸共…魔法で塵にしてくれたわ」



フィアロアは…自身の手を見て苦悶の表情になり…

そっと、ため息を吐く。



「せめて、あの馬鹿…イルの魅了を解く事ができれば…

ペンダントの力で、状況を覆す事もできるかもしれないがのぅ」



処刑人の女から、投げキッスをされ、ニヤけるイル。



「いや、絶対に魅了を解いてやる!」



フィアロアはまた、ムカムカとした苛立ちを再燃させるのだった。



◇◇◇◇◇


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