130話 魔族にとって毒物なのだ
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「聖なる印…そうか!…なるほど」
フィアロアの言葉で、リーンも納得する。
聖なる印…とは、所謂…神聖な御印である。
神が残した御印…
この世界にも、神への信仰が存在する。
元々本当に神が存在する世界だからこそ、
信仰は顕著であり、力がそこに根付くのだ…
この世界、それぞれの地域で信仰する神は多様に存在する。
…だが、神聖力はほぼ同じ。
それは、神が人に与えた力ではない。
信仰する心が、力となった現象だ…
リーンの前世の感覚でいうなら…
神聖魔法使い、神官…そして聖者…
といった職の者らが信仰と同時に行使できる力…
なのだが…
この、神への信仰力は、神を裏切る存在である
魔界…特に魔王に連なる存在には毒となる。
強い信仰の想いが込められた宗派ほど、
力は強くなる…
「なるほどね〜!確かに悪魔には御印は毒だよね…」
試しに、イルがその細工物に触ってみるが…
ダメージは全く無い。
寧ろ、どこかじんわりと暖かく感じた。
そんな、悪魔にとって毒である細工物に
小悪魔は恐れず再び手を伸ばす。
「…っっ!」
「やめろ、手が焼けてしまうぞ!」
リーンは小悪魔を心配して取り上げようとするが…小悪魔は離さない。
その手は火傷を負ったように、爛れていくが…
苦しみながらも耐え、布に大事そうに包み、仕舞い込む。
「本当、変わった小悪魔だなぁ?」
イルも首を傾げながら見守る。
リーンは小悪魔の焼けた手に、ドューイのアイテム、《板東エ〜イド〜君》を貼ってやる。
小悪魔は嬉しそうに、頷きながら…
地図を取り出し、次の星マークを指差すが…
「流石にもう遅い…次の探索は明日にしよう」
リーンの一声で一行は宿屋に戻るのだった。
小悪魔は仕方ないとばかりに、肩を落とす…
そんな姿を見て、呆れながらも
余程の事情を抱えているのだと…
リーン達は感じるのだった。
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