いい先生に出会った日
毎日、キラキラだ。
「あ、羽根雲!今日は、雨かな?傘忘れちゃった・・・」
そう言う少女は、羽根雲を指差して嬉しそうだ。
ツインテールの松坂ミオは、今日も元気。
ミオがチョコ(キョ○ちゃん)食べながら学校へ向かっていると
後方から来た一台の赤いスポーツカーがミオの傍で止まった。
「松坂じゃん!!」
車のウインドーが開き、そこから顔を出したのは
学校で生徒からイケメンと謳われている坂口先生
坂口先生は色気がある
「坂口先生は赤いスポーツカーとか乗ってそうだよね」
「いや、そんな漫画みたいなことあるわけないっしょ(笑)乗ってても様になりそうだけど」
って友達と最近喋ったから
笑っちゃいそう
てか、イケメンが窓から顔だけ にゅって出してる状況・・・
おかしい・・・
ついに吹き出してしまった
「何笑ってるんだよ」
「ちょ、今、話かけないでくださいっっ」
坂口に背を向けて笑う。
「ふーん、右手そんなに握り締めたらチョコ溶けるぞ。」
頭を引っ込めて坂口が言った。
「あ、やば!」
慌てて、チョコを食べようとすると
ニヤニヤしながら坂口が
「ちなみに、学校にお菓子持ってくるのは校則違反だぞ。」
ミオは口に持っていきかけていたチョコを空に投げ飛ばした。
「オイッ!食べ物を粗末に・・・」
坂口の話を最後まで聞かずにミオは全力で走りだした。
「オイッ!逃げるな!松坂!!」
と、後ろから聞こえたが無視して走る。
間に合え
ミオは地面に落ちる直前の先ほど投げ飛ばしたチョコをダイビングして、口でキャッチし、
顔面が地面に直撃する前に地面に片手をついて、ジャンプした勢いでバク転をきれいに決めた。
肩にかけていたスクールバックが、勢いよくミオの体に当たり バシッっといい音がなったが問題ない。
「セーフ・・・」
しかし、
「手が痛い」
見ると地面に手をついた左手から血が出ていた。
手のひらいっぱいに切れており、痛そうだ
もうすぐ学校だからいいか。
ハンカチで左手を押さえて、傷口が見えないようするのと止血のつもり・・・
ミオは早歩きで学校へ向かった
髪が肩にかかっており、歩くたび肩に髪がバシバシ当たっている。
学校に着くと坂口が門の所に立っていた。
「ちょっと来い」
職員室に連れてこられた。
坂口は「そこ座れ」と言ってどこかへ行ってしまった。
坂口が指さした 入口近くのパイプ椅子に大人しく座る。
怒られるのかなぁ。てか、チョコぐらい いいじゃん。
坂口が戻ってきた。坂口の手には緊急箱とパイプ椅子があった。
「今、保健室閉まってるから」
と言って、ミオの前にパイプ椅子を置き、座った。
「お、優しいんだね。ただの色気担当ではなかったのだね」
「誰が色気担当じゃ」と言って、ミオの頭にチョップした。
全然痛くないチョップ。
「手みしてみろ」
「へ?」
「へ?じゃねぇ。出せ!」
強く言われて、しぶしぶ差し出す。
「すげー血出てるじゃん」
確かにハンカチが血で真っ赤に染まっていた。
お気に入りのふわふわのハンカチが台無しだ。
いきなり、左手にすごい痛みが走った。
坂口が消毒液を左手にかけていた。
「わー自分でやるよー!」
そんなミオの言葉を無視し、坂口は慣れた手つきでミオの手に包帯を巻いていく。
包帯するほどの怪我じゃないと思うけどなぁ・・・
でも、包帯巻いてみたかったから嬉しいな
片手 包帯とかカッコイイ!!
包帯が巻き終わり、テープで固定され、終わったな と思いミオが手を引こうとした時
ミオの手を持ったまま坂口が顔をあげ、ミオを見た。
な、なな、なんだ?
少しドキリってしてしまう。
「おまえなぁ・・・怪我して喜ぶな・・・」
「え?なぜ喜んでることわかったの!!」
貴様、エスパーか!? という中二病発言は飲み込む。
「まさか、包帯してる自分ちょっとかっこいいかもとか思ってた?」
そのまさかです
左手が疼きだした・・・とか言いたい
でも、そんなことは友達にでも言おう。うん。
だから、
そんなことないですよ?って言うつもりだったのに
「左手疼かないですよ?」
・・・・言い間違えた
「中二病か」
「中二ですから」
中二病を肯定する受け答えだったな。否定すればよかったかな?まぁいいか。
「てか、おまえ無茶し過ぎ・・・。」
目をふせ、ため息混じりに言われた。
少し反省
「てか、何故投げたし!!!食べてるとこ見られなかったらセーフとかじゃないから!!お菓子見つかった時点でアウトだから!!おまえは馬鹿か!!」
一気に早口でまくしたてられて、一瞬 脳がフリーズ・・・
反省取り消し!!
少し強引に手を引く。
するりと坂口の手からミオの手が抜ける。
「包帯巻いてくださって、ありがとうございました」と言って立ち去ろうとした時
先ほど ふと疑問に思ったことを投げかけてみた。
「先生、視力いいんですね。チョコってわかってたし、チョコをキャッチしたのも見えてたっぽいし」
「あぁ、小さい頃から視力だけは良いなって言われてた」
「え?」
「え?って、何驚いてるんだ?」と眉をひそめる坂口。
「だって先生、顔もイイじゃん!」
そしたら、きょとん とした顔になった先生を見て笑ってしまった。
そしたら、先生の顔が一瞬ふてくされた顔になった気がしたのは気のせいではないだろう
だって、
「床の血、掃除しとけよ」って言葉を残して、立ち去ってしまった。
そして、私が歩いてきたとこを見ると点々と血痕があった。
なにが「すげー血が出てるじゃん」だ。バカ野郎。わかってただろうが。
てか、先生にバレないように手を後ろ隠してたのに
こんなことになっているとは・・・
ちょうど頭上のスピーカーからチャイム鳴り始めた。
しかし、これをこのままにしておく訳にもいかないので
雑巾をもらいに事務室に向かう
バク転を決めた時にスクールバックが当たった箇所が痛み出したのは気づかないふりをして。




