↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Time is money制度  作者: 刹那END
はじまり
PR
35/35

少年は学校中に付けてもらった

「いやー何だよっ! 普通にHR(ホームルーム)中に屋上でノートパソコンしてるだけじゃんさー」

「いや、大問題だろ!?」

 笑いながら、悪気が無いような話し方をする羽田(はた)に対して、康太(こうた)は思わず、ツッコミを入れてしまった。

「えー……? マジでー? と言うか、そう言う坊やだって此処にいるではないかっ! それに名前も知らないぞ!」

「お、俺は千原(ちはら)康太……此処にいるのは理由(わけ)があって……」

 羽田からその眼を逸らす康太であったが、羽田は逆にその顔を康太に向けて詰め寄らせる。

「話してみなさいっ! 坊や!」

 康太は教室で自らが行(おこな)った決意表明について羽田に話した。

 それを頷きながら聞いていた羽田は言う。

「坊やは莫迦(ばか)かね?」

「……はい」

 自分でも分かっている康太は頷く事しかできない。

 そんな康太に溜息を吐きながら、羽田は

「やれやれー……私が協力してやってもよくってよ?」

「……気持ちは嬉しいんだけど……何ができる?」

 と考え始めて、答えを出した。

「監視カメラ……とか……? 学校中に付けられるけど……?」

 へー……監視カメラをねぇ……

「それって……マジでできるの……?」

「当ったり前よ! 明日には学校中に付けられるよー! これで放課後に学校中を監視できるっさー! 犯人も見つけられるよー」

 大きく目を見開く康太は目の前の羽田という存在が少し怖く感じた。

 監視カメラを学校中に……どんだけの金と人が必要なのか、わかってるのか?

「本当に……できるの……?」

 同じ質問を繰り返しされた羽田は眉を真ん中に寄せた。

「できるっつーの! 明日また、この屋上に来なさい! 証明してあげるから! 分かったら、さっさと教室に戻りなさい!」

 いや……自分もだろ……

 そのツッコミを心中だけに留めながら、康太は屋上を後にした。

 それにしても……教室に戻りにくい……


 ☆


 康太はそのまま教室に戻らずに帰ろうかとも思ったが、彼にそんな勇気は無かった。

 教室に戻った康太は冷たい視線を浴びせかけられる。

 それを気にしないようにしながら、先生に適当な言い訳をして席へと着いた。

 席に着いても、学級委員の久田(くだ)武彦(たけひこ)だけは彼を睨みつけていた。

 放課後になってもその冷たい視線は消えなかった。

 そんな康太に拓也や事情を聞いた有井は声を掛ける気にはなれなかった。

 誰も康太へと声を掛けない状況下で一人だけ声を掛ける人物がいた。

「大口たたいといて、学年トップになれなかったらどうするんだろうなぁ? そりゃあ責任取るよなぁ? ってその前に犯人も捕まえなきゃならねえ」

 久田が帰宅する準備をしている康太の机を叩いた。

「現実見ろよ、クソ野郎」

「……ご丁寧に忠告とは……とんだお人好しだな」

 鞄を持って立ち上がる康太。

「言われなくても、分かってんだよ!」

 そう声を張り上げて康太は教室から出て行った。


 その日、学校で銃声が響く事はなかった。


 ☆


 翌日。

 康太は学校に来てすぐに屋上へと向かった。

「おはよーさーん!」

 朝なのにも拘らず、ハイテンションな羽田に迎えられた康太は溜息を吐いた。

「どーしたのさっ!」

「いや……昨日から同じクラスの連中の視線が嫌なんだよ……」

 ノートパソコンを持って屋上のど真ん中で座っている羽田へと近づく康太。

「そんな事、気にすること無いさー! どうせ、中間考査までで終わりだもーん」

 中間考査で……終わり……?

「どう言う事だ……? 中間考査で終わりって……?」

「……まあ、知って良い事はないと思うしぃー坊やじゃあ此処から逃げかねないからねぇ……」

 此処から逃げる……?

「屋上からって事か?」

「いやー高校からに決まってるじゃないかー」

 高校から逃げる……

 康太は唾をごくりと呑んで目の前の存在、羽田を見た。

「お前……なんでそんな事を知ってるんだ……?」

「此処のデータにハッキング掛けた事があるからさー。その資料によると、この高校はやばやばでいろいろと隠してるんだよー」

 いろいろと隠してる……

 康太にも少し思い当たる節(ふし)があった。

 警察の事情聴取を受ける前に「何も話すな」と先生から釘を刺された。

 何かを……隠してる……

「現実って知らない方が良い事が多いんだよー。だから、余り首を突っ込みすぎるとー……死んじゃうかもよ? てことでこの話はもうお終い! これ見て!」

 と学校には持ってきてはいけないノートパソコンの画面を康太に見せつける羽田。

「え……これってまさか!?」

「そう! 学校中に付けた監視カメラの映像だよっ! 廊下、教室、トイレ。まあ、流石にトイレは外だけだけどー。昨日中に付けたのさっ!」

 いろいろと映像を切り替えながら話す羽田に康太は感心しながらも、驚きを隠せなかった。

「でも、昨日は行動しなかったし、こんな事しなくても学校の人が捕まえてくれるんじゃ……」

「あれー? 君もう、決意表明しちゃったんでしょー? なら、自分で捕まえないと男じゃないぞ! それにやめるって言うんなら、監視カメラの設置のお金を払って貰うからね!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。