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短編エピソード13『お留守番カメラ事件』

短編エピソード13『お留守番カメラ事件』


休日の午後、信吾と美沙は近所のスーパーへ買い物に出かけた。

バスの中、美沙がふと思い出し、お留守番カメラをスマホで起動する。


映ったのは、テレビの前で直立するゴンちゃん。

ゴンちゃんが寂しくならないようにテレビはつけっぱなしにしてた為、自然ドキュメンタリーが映っていた。


画面には雲間を悠々と舞う巨大な鳥の姿。

ゴンちゃんはその映像に真剣な表情で見入り、思わず翼を広げて小さく「きゅー!」と鳴いた。


「……趣味の時間だね」

美沙がくすっと笑い、信吾もスマホを覗き込む。

「これ、絶対“推し”を見てる顔だな」


やがてゴンちゃんはソファの背もたれに飛び乗り、翼を広げたまま鳥の動きに合わせて小刻みにステップを踏み始める。

尾を揺らし、足取りも軽やかに、まるで空を舞う練習をしているかのようだった。


帰宅すると、テレビの前で満足そうに丸くなったゴンちゃんが迎えた。

その瞳には、まだ飛翔の余韻が輝いているようだった。


どうやらゴンちゃんは、ひとりで“自主練”を楽しんでいたらしい。




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