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短編エピソード4『ゴンちゃんとぬいぐるみ』
短編エピソード4『ゴンちゃんとぬいぐるみ』
ある日、美沙が部屋の奥から、小さな袋を持ってきた。
「これ、昔買ったまま放ってあったんだけどさ。見てこれ。なんかゴンちゃんに似てない?」
袋から出てきたのは、手のひらサイズのドラゴンのぬいぐるみ。丸っこいフォルムに、つぶらな瞳。翼と角もちょこんとついていて、どこか抜けた表情が愛らしい。
「ほんとだ。ちょっとゴンちゃんがぼーっとしてる時に似てるかも」
信吾が笑うと、美沙も満足げにうなずいた。
ゴンちゃんはというと、不思議そうにぬいぐるみをじっと見つめていたが、やがてそろりと前足でつん、と触れた。鼻を近づけ、においを確かめると、ふいに丁寧に前脚で毛布へ運んでいく。
「……あ、持ってった」
毛布の上にそっと並べて置いたぬいぐるみの隣で、ゴンちゃんはくるんと丸まり、「きゅ」と小さく鳴いた。
「なんか、仲間ができたみたいだね」
信吾がそう言うと、美沙がくすっと笑った。
「もう名前つけちゃおっか。“ちびゴン”で決まりでしょ」
以来、“ちびゴン”はゴンちゃんのお気に入りになった。
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