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第5章「天使と勇者」④


「香澄さん、どうしてあんな無茶をしたんですか?」

「だってぽわぽわが……赤いぽわぽわがわたしを殺しに来ると思ったんだもん……」

「……ぽわぽわ、ですか?」


 まぁ何があったのかと言うと、最初はドラゴンから投げ出されたのだ。


 曲がり道で時速百キロを越えるグランドラゴンの背から振り落とされ、


 ぽーんと宙を舞って、茂みの陰に隠れていた鳥のような魔獣の頭をお尻で踏んづけ、


 飛んでくる怪光線を盾で防ぎつつ、全力で逃げているうちに大きな虫のような魔獣の足を踏みつけ、


 飛んできた蜘蛛の巣のようなものに足を絡められて転倒したところで、たまたまひょっこり現れたモグラのような魔獣に頭突きをかまして、


 歩けない状態で三体の魔獣に囲まれて絶体絶命の状態だったところを、ジョンに助けられたのだ。


 そして今、ジョンの指示&ジョンの監視の下で、クリスティに治癒魔法をかけてもらっているのだが……


「香澄さん。あなた、わたしが殺さなくてもそのうち死んでしまわれるのではないですか?」

「うぅ……」


 クリスティも呆れたという顔だった。どうやら今回は殺す気も失せているらしい。


 魔法とか使えるようになりたいなぁ……

 そうしたら自分の怪我ぐらい自分で治せるのに。



「香澄さん。あなた、わたしが殺さなくてもそのうち死んでしまわれるのではないですか?」

これを言わせたかったがための1話です。


雰囲気が違いすぎるのと、駆け足で読んでいただきたいのもあって、たった500文字に詰め込んで1話にしました。


※設定無駄話※

一般的な治癒魔法・魔術は、生命を司る火の属性に分類されます。

他の属性にも治癒の魔法はありますが、火属性と比較して大きく効果が落ちます。

ジョンは水の眷属ですが、ジョンほどの使い手ならば、水属性の治癒も十分実用レベルです。


ジョンは今回、香澄とクリスティが少しでも仲良くなってくれればと気を遣ったつもりだったのですが、完全な裏目に……

ジョン君は純粋なので、クリスティが香澄を嫌っているという発想自体がありませんでした。


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風変わりな恋愛小説はじめました。
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