01話 西へ
カナメが3階層へ足を踏み入れたころ
マコトは騎士たちと共に馬車に揺られ西へと向かっていた。
「これから向かう西の隠れ里と言うのはどういったところなんですか?」
一緒の馬車に乗っている騎士へマコトが聞くと
騎士は頬を指でかきながら
「あ~隠れ里と言うのは昔の話でありまして・・・その今はオアシスの町と言った感じでありましょうか。」
「そうなの? あっでもそう言う事はこれから砂漠へ入るんだ・・・砂まみれになっちゃうよ・・・」
小柄なポニーテールのユウナが呟くと
「う~そうなんだ。ユキムラ君とマサムネ君大丈夫かな?」
ツインテールのサキが自分で錬金術を駆使して創り出したパペットの心配をしていた。
「きっ君たち、よっ余裕だね。ぼっ僕はこれからどんな魔物と戦うのか気が気じゃないんだぞ。」
ハジメの言葉にユウナとサキが互いの顔を見つめ合い
「「ぷっ!流石生真面目君!マコト様が居れば何が相手でも問題ない!クスクス・・・」」
と笑い出す。
釣られるように騎士たちも笑い出す。
「笑うなんてひどいじゃないか! なぁマコト・・・」
ハジメは怒り気味にマコトに助けを求めると
「ククク、悪い、悪い。大丈夫だって俺たちは優先的に良い装備が与えられているし、才能だって他の奴らよりあるんだ。俺たちならやれる。俺はそう思ってんだからさ。」
声を押し殺して笑っていたマコトがハジメにそう言うと
騎士たちも笑いながら頷く
「それにユキムラ君とマサムネ君だっているんだから後衛の私たちに魔物が来ることなんてないわよ。」
サキがそう付け加える
「そうそう、あんたはバンバン魔術を撃ち込めば問題ないって。」
ユウナがハジメの背中をバンバン叩きながら励ますと
「痛い、痛いってば! 分かった。僕が悪かったって!」
そうハジメが謝っていると
馬車の外から
「オークだ! オークが出たぞ!」
「慌てるな! たかが3匹のオークだ! 囲んでしまえばどうということはない!」
「「おお!!」」
と聞こえてきた。
「俺たちも出た方が良いかな?」
マコトが騎士に聞くと
騎士は首を左右に振り
「オーク3匹程度外の戦力で問題ありません。勇者様達は馬車の中で寛いでいれば問題ありませんよ。」
と言い落ち着いていると
「残り1匹だ! 逃がすんじゃないぞ!」
「やった! 最後の1匹を仕留めたぞ!」
と外から聞こえてくる。
「というわけで問題ありません。」
そう騎士が口にしてしばらくすると馬車が動き出す。
騎士が呟いた
「こんな所にオークが? やはり悪魔族の策略か・・・」
と言う声をかき消すかのように・・・




