スコットよりゴードンへ
スコットよりゴードンへ
「ノンキア社の研修は楽しいかい。」
「快適です。毎朝、近くの湖で泳いでいたら、フィンランドの湖の妖怪に間違えられてしまいました。」
「フィンランドの妖怪ですか? 射殺されないように気をつけてください。」
「はい、大丈夫です。すっかり、有名になりましたので。それから、エバとミンミンがやってきました。エバとミンミンと三人で、1週間ほど、旅行に行きますので、しばらく、連絡が取れませんが、よろしく。」
「楽しんできたまえ。ただし、女の子に迷惑かけないように気をつけなさい。」
「大丈夫です。僕は、そんなに器用ではありません。」
「心配だな。ミンミンもいるんだろ。」
「ミンミンは、陸上の選手です。メダルを目指して、頑張っています。」
「タンバ国の太陽熱発電施設も順調に建設が進んでいます。もうすぐ、完成です。その時は、ノンキア社の社長も呼んで、稼働式典をしますので、その時は、一緒に戻って来なさい。」
「太陽熱発電装置も完成ですか。フィンランドの太陽は、タンバ国の灼熱太陽ではありません。燻んだような太陽です。きっと、ノンキア社のもっとも、出力の高い太陽熱発電になると思います。」
「そうだな。タンバ国の暑すぎる太陽を分けてあげたいね。そうすれば、タンバ国ももっと涼しくなって、住みやすい国になるのにね。」
「スコット。タンバ国のあの真っ赤な太陽が懐かしいです。」
「ゴードン。フィンランドの太陽の光じゃ、ゴードンが青白くなってしまうかもしれないな。白人になって帰ってくるということはないだろうね。」
「まさか、そんなことがあるわけないでしょう。」
「まあ、旅行を楽しんできなさい。事故には、気をつけて。」




