第七話
僕は時の旅人。
ある旅の最中、僕は一人の少女と出会う。
少女の名前は相原里美。
里美のおにぎりは・・・地獄だった・・・。
僕はいらぬ誤解をうけた。
雨の降る日、里美は来なかった。
僕は還る決意をした。
山道を歩く。
そんなに大きな山でもないのに結構疲れる。
それだけ登山は運動になるって事だ。
何分か歩くと広場のような場所につく。
「・・・・・・」
そこは不思議な空間だった。
なんというか、時空間の匂いというか。
そこには草木が全く無かった。
ただの空虚な地帯。
なのに一種のパワースポットのような力を感じた。
少し探りをいれてみると微かに時力を帯びている。
「なんだろう・・・この近くにも僕と同じ時の旅人でもいるのだろうか」
気にはなるがここは僕がこれ以上荒らしてはいけない場所のように思えた。
僕はその場から立ち去り、元来た山道を降り始めた。
結局は食べられるようなものは何も無かったわけだ。
少し無駄足だったか。
やはりおとなしく公園のベンチで時空間に還れるのを待つか。
試しに自分の時力を時空間に繋げて還ろうと試みるがやはり一向に反応がなかった。
「はぁ~・・・」
溜息もつきたくなる。
もしも最悪の場合は1年は待たなければならないのだがもしもそうなったら、あと約11ヶ月は待たなければならないのだ。
飢えはしのげるから良いものの退屈という名の飢えには勝てそうもない。
まさか11ヶ月間もの間を寝て過ごすわけにもいかんしな。
そんな考え事をしているうちに公園へと着いた。
いつものベンチに辿りつくと人影があった。
「あ・・・、相原か?」
「・・・あぁ・・・時時さん・・・」
そこにいたのは相原里美だった。
「どうしたんだよ、随分と久しぶりだな」
「あはは・・・はい、ちょっと最後に別れた後に体調崩しちゃって・・・」
そう言えば、最後に会った時よりなんか痩せた感じがする。
声にも覇気がなかった。
「ごめんなさい、なんの連絡もしないで・・・」
「いや、それは良いんだけど・・・さ」
「・・・・・・」
久しぶりに会ったからか、お互いに言葉が続かなかった。
「あ、相原さ」
「はい?」
「こんな事・・・聞いちゃ悪いかもしれないけど重い・・・病気なのか?」
「・・・・・・ただ、体が弱いだけですよっ・・・ただ、ね」
彼女はできる限りの元気で僕に行った。
「そろそろ・・・戻らないと」
「もうか?早いな」
「はい・・・あ、そうだ」
「ん?」
「もし良かったら、今度は私の部屋まで来てくださいませんか?」
「・・・・・・ん~」
「・・・嫌ですか?」
別に嫌ではない。
男として女の子の部屋に入れるならヒャッホイ!!だ。
しかし一度還る決心をしてしまったから相原に情が移るのが恐い気がする。
「嫌じゃないんだけど・・・考えておくよ」
「わかりました、でも一応教えておきますね・・・私の部屋は106号室ですよ」
そう言って相原は帰っていく。
既に歩くのも辛そうだ。
目に見えて体力が落ちている。
しかし・・・部屋って病室かよ・・・。
終