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第19話 ご令嬢、本業の方で頑張る事にしました

 お爺様やお婆様、お母様も交えての話し合いで、最初は、リオン様とポラディスが私の代わりに断りの手紙を書いて出す事になったの。


 その場ですぐにリオン様とポラディスが手紙を書いてくれたわ。


 リオン様の書いた手紙は元王妃様に、ポラディスの書いた手紙はお母様にチェックをしてもらったのよ。


 陛下や父上に付け入るスキを見せないようにする為のチェックだったから。


 チェックを終えられた手紙は、少しでも早く手紙が着くようにとの配慮から、応接室に皆がいるままで、出されたの。


 陛下や父上が余計な事をしない様にとの、牽制も兼ねているから。


 だけど、元王妃様もアンソニー様も、何だか張り切っていらしたわね。


 その後は、ここにいる者達が順番に、私からの手紙を出さない方向で、ひたすら関係者が手紙を書いて、私の婚約を断ると言う手段をとる事になりました。


 絶対に、私からの返事は出さないんだから!!再婚約なんて、まっぴらごめんだわ!


 はっ!ええと、元王妃様の改名後のお名前をお聞きしましたわ。


 王妃様は名前をエリザベス様と言って、親しい方々からはエリー様って呼ばれていたんですの。でも、改名後はライラック様と言う名になったんですって。ライラ様って気楽に呼んでね。って言われましたのよ。お茶目ですわ。


 お母様は、押しかけ妻をして、正式に再婚が出来た時点で、私達の義父になられる方を紹介する為にも頑張るわね!と張り切ってましたけれど。


 ポラディスの冷ややかな目線にも気付かないお母様に、少しだけビックリしました。


 お母様ったら、ポラディスと私が呆れている眼で見ているのにも気付かないなんて、そうとう、浮かれていらっしゃるのね。


 父上が少しだけ可哀そうに思えましたわ。お母様は、すぐにでも再婚するつもりでいるんですから。


 元王妃様のライラ様も、お母様に感化されたのでしょうか?再婚に向けての婚活をするみたいです。分かり易く言うと、お見合いのスケジュールを連日に入れますからと言って、予定を立ててますわ。


 陛下に見つかれば、無理やり連れ戻されるだろう空気を感じていらっしゃるのね。ライラ様が隣国で再婚していれば、連れ出せないと理解されているからですわね。


 ポラディスからは提案と言う形で、私の身の振り方の三択をあげられましたわ。


 このトランドルで新しく婚約するか、婚姻する事。祖国であったロンデ隣国の手が及ばない国への移住か。独身だけが入れる修道院へ入るかの三択でしたわ。


 返事は一晩考えてからしますと言って、一人で、応接間から出ましたの。私付きの侍女のリンとベルは、私の後ろに付いてきてますけれど。


 私の部屋となった自室へ戻ってからは、リンにお茶を淹れてもらった後は一人になって、考えたわ。


 婚約すれば、ロンデリンからの手を撥ね退けられるわね。婚姻だったら、確実だけど。そこまで、無理しなくてもいいでしょう。


 移住かぁ。隣国のこのトランドルに移住してきて日が浅いのに、ここから更に遠い国へ移住する気はまだないのよね。資金の気持ちも追いつかないから、次点ね。婚約できなかった時は移住するしかないでしょう。


 修道院かぁ。修道院は、訳ありか、独身で行き場がない方の終の棲家となってるんだけれどレオ王子と婚姻するのはイヤだから、最終手段として、修道院で独身のままで過ごすって事にしましょうか。


 前世は、階段お力の20代という若さで死んじゃったから、長生きしたいなぁ。あ!いっそ!老衰まで生き延びるっていうのはどうかしら?それ、目標にしましょう!悔いのない人生を送りたいわ!乙女ゲームに、私の人生を決められるのは全力で、ご遠慮するわよ!


 そっか、侯爵令嬢として普通に生きていけばいいのよね。


 んー、私も婚約するか婚姻をしてしまえば、殿下から離れられるし、幸せになれるわね!


 そうよ!私の場合は、このトランドルで夜会デビューをすればいいのよ!そこで、素敵な殿方を見つければいいのだわ!うんうん。


 生まれた国ロンデリンでは、夜会デビューと茶会を王妃教育が忙しいという理由を付けて、断り続けていたんだもの。茶会とは、王妃様やお母様とするものだと思う程に、あの2人としか茶会をしていなかったわね。話す内容も、隣国へ移住するとか。商会の事とかだったりしたわ。


 私は婚約破棄される自分の未来を知っていたから、貴族達にあまり顔を知られたくなかったし、貴族での知り合いを作りたくなかったのよ。だから、体のいい断り方で、夜会も茶会も避けていたわ。


 学園には一生徒として入学したのも、王家からの要請だったので、仕方なく通っていただけなの。


 でも、このトランドル国で侯爵令嬢として、夜会も茶会もデビューしてしまえばいいのよね。

 ついでに、他の商会での売れ行きのイイ商品の情報とか、貴族で出回っている噂を仕入れられますわね。一石二鳥だわ。


 婚約者も見つけられたら、一石三鳥ね。


 私は、その日の夕食を自室で済ませ、色々な雑事を片付けたわ。ご令嬢でも、遊んでいるだけではないのよ。このトランドル国の侯爵令嬢になったので、この国の歴史やこの国だけのマナーや習慣とか、国民性も学んでいるの。


 だから、少しでも時間があれば、この国の本を読んで、知識を増やしているわ。


 でも今日だけは、あとは寝るだけになっても、自分で考えないといけない事があったからか、いつもよりも少ない睡眠時間になってしまったわ。


 皆が揃った朝食時に、この国での婚約を目指して、侯爵令嬢として動きます。そして、もし何かが起きたら移住出来るように下調べして、今まで見たいに大陸共通語で話さなくても大丈夫なように、他国の言語を学ぶ事と、修道院はどんな所があるのかを調べるのだと告げました。


 この国での流行のドレスや装飾品を知らないので、デビューの準備と一緒にその辺りも教えて欲しいと私が言うと、お婆様の目がキラリと光りましたわ!


 朝食が済んでからは、お婆様によるこの国ならではのドレスの基準を教えてもらえる事になったのよ。


 昨日使った応接間よりも更に広い応接間で、お婆様から教わることになったわ。


 元王妃のライラ様も、この国から離れていた期間があったお母様も私と一緒に、流行を教えてもらう事になりましたのよ。


 3世代の女性プラス、ライラ様と4人でのお茶会から、お婆様を教師として、私とお母様とライラ様を生徒とした学びの時間が始まりました。


 これには、お婆様がすごく張り切っていらして、微笑ましかったのですけれど、お母様の兄である伯父様の妻の、伯母様が参加されないのを疑問に思ったので、お聞きしましたの。


 今、伯母様は、伯父様とご一緒に国内外を外交で飛び回っていて、殆んど、この屋敷にいないのよと、お婆様が溜め息をついたのです。


 お母様からも言われましたの。


「義姉は、兄と一緒にいたくてという理由でね、いっつもどこでも一緒なのよ。甥達を育てたのは、私のお父様とお母様、そう、エンディスのお爺様とお婆様なの。


 もう2人でベッタリとくっついたままで、ほら、前に兄が甥達を連れてロンデリンへ来た時に、義姉が兄と離れていたのが不思議な位なのよ。」


「そうなの。息子と嫁の仲が良いのはいいんだけれど、義娘の実家で一番下の子を産んでいたの。だから、侯爵家へ息子が訪問した時、その時は一緒でなかったの。

 今は、その時に生まれた孫を連れたまま、夫婦で外交をしているわ。きっと。」


「あら?そうだったの。それで、兄の4人目はどちらでしたの?」


「娘よ。だから、手元から離さずに、息子と義娘と孫娘が一緒なのよ。孫息子3人は私達に押し付けて育てさせておいて、孫娘は自分達の手元から離さないのよ。

 でもね、エンディスがこの家の令嬢になってくれたのが嬉しくって。ありがとう。エンディスはお婆様孝行をさせてくれる良い子だわ。

 ドレスも夜会や茶会の基準に合わせたモノを作りましょうね。」


「うふふ。親子3代でのドレス作りの約束が叶うのね。楽しみだわ。」とお婆様とお母様が張り切りだしましたわ。圧倒されそう。


「私には娘がいないから、私もその輪に入れて欲しいわ。」とライラ様までも参戦されることになりました。


 お婆様もお母様もライラ様も、高位な家の出の元ご令嬢、今はご夫人と呼ばれる年齢の人達ですもの。任せて安心ね。


 お婆様の教えて下さる事も役立ちますわ。


 昨日の嫌な手紙の事は忘れていないけれど、嫌な気分が薄れた気がしたの。


 元王妃様、いえ、ライラ様は今日の午後からのお見合いに備えて、出来合いのドレスを持って来るようにとドレスメーカーであるこの家の贔屓の服飾品店と約束されていたそうで、昼前には、ドレスの花が咲き誇る応接間になりました。


 だから、昨日よりも広い部屋を選んだのかの納得を自分の中でしましたので。


 ライラ様は、午後からお見合いする方の略歴を教えてもらっているのだそうで、その方の好みそうなドレスと何着かのドレスを選んでから、明日以降に着る予定のドレスを試着して、お針子さん達が細かい訂正をしていくのを眺めていましたけど。


 王妃様、ああ、また間違えた!ライラ様の番が終わったら、3世代で着るドレスのデザインを伝えると、その場でデザインをしてくれて、お婆様とお母様に私の分のドレスもお任せしちゃいました。


 (じつ)を言うと、ドレスは動きにくくて好きではないの。でもね、この世界で貴族のご令嬢が着るドレスは、ひざ下のお忍び用のワンピースタイプか、ドレスらしいドレスしかないのだから、仕方ないのよ。


 だから、護身術を習う時に着るスラックスみたいなズボンと、男性が着るような装飾の少ないブラウスが楽で、楽で、いつもその姿で過ごしたいと冗談を言ったらね、凄く怒られたの。


 武門である家のご令嬢でも、男性みたいな姿を怒られるんだから、推して知るべしってとこで、おとなしくドレスを着ています。


 採寸も済んだし、ライラ様もドレスをお針子さん達が細かくサイズ直しをしているしで、その日は終わったの。


 ライラ様のお見合い?


 陛下に似た性格だったから、断ったって聞いたわ。

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