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第10話 あたしがヒロインよ3

ヒロイン目線での主人公2人の話し合いの回です。

宜しくお願いします。

 エンディはエンディでしたよ。うん、これ以上の例えは出来ないから。うん。


 悪役でもないし、かと言って普通のご令嬢でもない、前世の記憶があるから、独自の立ち位置にいるっていう周りとは違う感じがした、キレイ系の美少女だった。


 あたしはあたしで、ね、エンディに可愛くて美少女だって褒めてもらえたんだー♪


 あたしを初めて見た時に、エンディが「こんな可愛い美少女には勝てないわ!」って思ったわっ!って言ってくれたんだー♪

 うふ!嬉しー!


 そんな正直なエンディとあたしの昼食は、和やかなものになったよ。

 前世の事を隠さないで済むって言う理由もあったからかもしれないけどねー。

 でも、昼食には侍女や執事が近くにいたから、用心して、前世の事は話さなかったよー。


 公爵家から連れてきた料理人が、あたしたちの住んでいる()()()()()()()()で、高位貴族へ出している料理を作ってくれるんだってエンディが教えてくれたの。

 「明日からは、オレンも一緒にその高位貴族用の食事を食べましょう。」って誘われましたー!


 ラッキー♪凄ーくツイてるぅ!


 あたしの食べる分もエンディのおこづかいから、この先も出してくれるんだってー!ありがとー!


 あ、そうそう、肝心の昼食の話がまだだったっけ。


 えーと、寮の中にあるエンディの部屋に用意して出された昼食がもうね、流石!公爵家の料理だわ!という美味しさでしたよー。だから、明日からの食事が楽しみー!


 あたしはさ、前世がお嬢様だったんで、食事のマナー関係も男爵家に戻ってからでも不自由じゃなかったけどさ、この世界の貴族の食事の仕方も、更に覚えたんだー。


 だから、高位貴族のエンディと一緒に食べるにも飲むにも何にも問題なかったんで、お付きの侍女や執事さんにもマナーが悪いって睨まれたりしなかったし、珍しい食材を使った料理も出たし、沢山食べたんだー。


 うちの家の料理も美味しいけどさ、たまには違う物が食べたくなるじゃん。そんな感じで、お昼をご馳走になりましたー。あー、美味しかったー!


 食後のお茶兼お茶菓子を食べる時間がね、エンディとのぶっちゃけタイム、ええと、ゲームについてお互いに話しをする時間になったんだー。もちろん、侍女や執事を部屋から出して、2人きりで話したよ。


 前世が何だとか言ってれば、貴族の中でも奇人変人扱いされる分かってたから、気を付けてたんだー。

 貴族でも奇人変人扱いされればさ、肩身が狭くなるし、良い所のお嫁に行くのが難しくなる。ぶっちゃけると、どうしようもない所にだけしかお嫁にいけなくなるんだよねー。


 あたしもエンディも幸せになりたいから、その辺は漏れないように気を付けてるんだ。

 だからさ、わざわざ人払いをしてまで、前世の事を話し合ったんだー。


 そこで、お互いが覚えているゲームの内容をすり合わせたんだけど、エンディはエンディで、自分の係わる事以外は覚えていなくってさ、あたしもあたしでね、自分の攻略以外は覚えていなかったんだよねー。


 それに、エンディはゲーム以外ではさ、前世での死因や知識はあるけど、自分についての事を全く覚えていないんだって、びっくり!死んだ年齢も大体しか覚えてないって言うし、エンディの話を聞いていた時に、あたしがね、ちょっとどうしてなんだろうって思ったんだ。


 あたしもね、自分の前世で何を覚えていて何を覚えていないかを話したんだよー。


 あたしは、自分の事や好きでしていた事、前世の家族についてや、ゲームを紹介してくれた友人の事を覚えていたんだけどさ、前世の世界の知識とかの細かい所をあんまり覚えてなかったし、自分が幾つで死んだか、その死因とかを覚えていなかったんだー。って言ったら、今度はエンディが考え込んだんだー。


 これは、何かあるんじゃないかとエンディとあたしの2人がそう思って、そういう結論に辿りついたんだけどね。

 前世を覚えている2人が同じ世界の同じゲームを基準にしているのは、偶然にしても出来過ぎで、作為的な何かがこの世界にあるって思えたほど。

 この先に何かが起こるような、あたしとエンディがそんな気持ちを持つに至ったんだー。


 そこで、そこからはお互いに前世で覚えている事のさらに細かい情報交換に夢中になっちゃって、2人で語り合いましたとも!


 そのせいで、すっかり夕方になっちゃってさ、晩ご飯もね、寮の中のエンディの部屋でご馳走になっちゃったんだけどねー。


 エンディとあたし、お互い自分が幸せになる為に自分達が動く事になるから、お互いに相手へ必要以上に干渉しない、邪魔しないってのに同意してさ、接触は友人だから制限をしないでいるって事にした、友人兼同盟関係を結ぶ事を改めて2人で決めたのだー。


 そこでね、エンディから、レオ王子の幼少時からつい最近までのダメンズ(残念な性格のイケメン)振りを聞かされてしまったー。この場合は愚痴られたって言うのが正解なのかな?


 あたしも前世と今世で知り合った男性を無意識で色々と判別していたみたいでさ、エンディの愚痴を聞きながら、今朝の様子を思い出したのもあって、あれ(レオ王子)はないなって結論に至ってしまった…。


 いくらイケメンでお金持ちで、その上、性格が良くても、側妃ありきの王子でしょ。そんな中で、一人で王妃になる重圧に耐えるのは無理!

 それにさ、王家の一夫多妻制ありきの王妃や側妃は、王子一人の為に尽くして我慢するっていうのに、王子は陛下の勝手にし放題を親子だからこそ真似しそうだって思ったんだー。

 そんな姿勢の男性にさ、あたし自身が一生を共にするっていう納得も同意も出来なかったんだよねー。


 あたしのベースがね、日本の一夫一婦制だからー。


 エンディの方は、無意識下であたしと同じ考えだったみたいでさ、あたしが指摘したら、その事に気付いたらしくて、頷いて納得してたよー。


 あたしも一番そこに(こだわ)っていたからか、だから、乙女ゲームの逆ハーレムを素直に喜べないのだとエンディと話した後に、自分でそこに気付けたんだっけー。


 ただし、エンディからはレオ王子と婚約解消でも婚約破棄でもいいから婚約自体を無くして、この国から出たいので協力して欲しいって言うんだよー。


 あたしが、王妃って貴族のあこがれじゃん?勿体なくない?って聞いたらさ、公爵家当主、つまり、エンディのお父さんが王家との縁を作る為にエンディを王家に売っぱらった結果が王子との婚約だって聞いて、絶句した。


 あたしのお父様はそんな事はしないから。


 エンディのお母様も弟もそんな身勝手なご当主を見捨てるつもりでいるんだって聞いたんで、あたしは表面上、レオ王子と仲良くして、エンディの婚約が無くなるようにして欲しいってお願いされたんだ。

 最後にはお願いしますって土下座したエンディに泣かれちゃったんだけどねー。


 気丈に振舞っているエンディも色々と苦労してるんだなーって分かったし、レオ王子とは仲のいい友人になって、それとなく気がある振りをするだけだよって約束をエンディとしちゃったよ…。しゃあないかー。


 ま、友人止まりなら、いいかなー?とも思えて、あたし本来のなるようにしかならないって言う適当な部分が出てきたんだけどねー。


 前世込みでお話し出来る友人が出来たんで、その友人が困っているし、それを手伝える知恵があたしにはあったから、もうこれは仕方ないかなーって思えたのもあったんだー。


 あたしはヒロインだし、エンディは悪役令嬢なんだし、ね。


 その日は、結局、エンディの話を聞いてたら、遅くなっちゃったんで、エンディの寮の部屋でお泊りになりましたとさー。


 エンディの方でも、あたしが好きになった人との縁を結ぶのにも全面的に協力してくれるって事と、あたしをご令嬢達の悪意や意地悪から出来るだけ守ってくれるって約束を取り付けたんだけどー。


 友人兼同盟関係なあたし達が、一方的なお願いを聞くだけの間柄じゃつり合いが取れなくて、駄目でしょ?エンディとあたしは対等な立場なんだからさ。


 エンディがね、隣国へ行っても、あたしの為に持てる力を使ってくれるって契約をしてくれたんだ。男爵令嬢だから、エンディが居なくなった後もこの国で暮らすあたしには、庇護となるモノが必要だからってさ。


 要するに、アフターケアもするって言ってくれてるんで、その辺が詳しくないあたしは、エンディに任せちゃった。


 今朝は、一緒に朝食の時にね、エンディがあたしの家に手紙と使者を送ったんだって聞かされたんだ。


「私、エンディス・キャトル何とかは、オレイヌ嬢と終生を誓う程の一生の友人になりました。つきましては、学園でオレイヌ嬢に何かあれば、私が全面的に責任を取りますし、面倒もみますので、ご心配なくお過ごし下さい。」ってな風の手紙を朝一番にあたしの家の男爵家に送ったんだって。早ーい!


 エンディが「これでどんな噂も出来事もオレンのせいでなく、私が全面的に面倒を見るわ。

 王妃様のお力も貸していただけるから、何にも心配ないから。」ってお墨付きまでついてきた-!

 ふぎゃー!


 でもね、エンディにはこれだけは内緒にして言わなかったんだけどね、このゲームにはシークレット攻略キャラが出る予定だったんだよねー。


 前世では、そっちの方のアテレコも終わっててね、相手がどんな立場で、どこにいるのか、どんな声でどんな容姿なのかも知ってたんだけど、エンディには教えたくなかった。


 それこそ、あたしが好きになった人が演じていたキャラだったから。

 エンディがその人を好きになっちゃったら、前世の時からその好きだって気持ちを忘れていないあたしが困るから、教えなかったんだ。ごめんね、エンディ。これだけは譲れないの。

誤字脱字報告、ありがとうございました。引き続き、ご報告お願いします。

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