†軌跡その4
『思い出という記憶』
忘れたくない
その言葉ひとつ
忘れられない
その笑顔ひとつ
あなたとの
薄れることのない
ひとつひとつを
今夜も
抱きしめて
眠りにつくよ
何の前触れもない
その自然に零れた
笑顔が
言葉が
私を救っていた
私を解放した
私を倖せにした
あなたが
多分誰にでも
分け隔てなく
与えた優しさ
それでもあなたは
私を
特別だと言ってくれたね
忘れないよ
無くさないよ
あなたとの
ひとつひとつ
いつか
その手をほどく日がきて
いつか
そのぬくもりも褪せて
いつか
擦れ違うだけになっても
あなたの
あなたの
あなたの……
何かの力で
ふたりの人生が
結ばれた時間
そこには
ふたりだけしかいない
あなたの記憶の中で
私の記憶の中で
同じ思い出がある
同じ想いでなくても
忘れられない
この小さな花たち
今夜も
抱きしめて
眠りにつくよ
どうかいつの日も
あなたが
私よりも倖せで
『高架橋』
高架橋から見た
渋滞の光りが
なんてキレイ
まるで
ルビーとダイアモンドが
床にたくさん
こぼれ落ちてるみたい
遠くには白い月
この世の愁いを
もはや無心に見てる
どこへ急ぐの
小さなこどもたち
急いだからって
報われるとは
限らないのに
でも
あなたからの文字に
胸踊らせ
アクセル践むのが
早くなる
月は
さっきの場所と変わらない
それでも急ぐの
少しでも
あなたと過ごす時間が
長くなるように