11話
2016/3/25 修正
2限3限は数学と魔法学で特に学べることは無さそうでつまらなかった
次は生物……期待していいものか
「はぁ~い、はじめますよぉ~」
……やけにのほほんとした教師だな、大丈夫か?
「まず始めに一通りの種族や特徴みたいなことを説明して、その後深く掘り下げていきまぁす」
このパターンか
それはいいんだが話し方何とかならねえのか?
「まず人間ですがぁ、魔族と人間の子孫でぇ、人間の方が強く表れた種ですねぇ。純粋な人間に比べて魔力が比較的多くなってます。獣人はその逆でぇ、魔族の方が強く表れた種ですねぇ。魔力は人間より多い者が多いですねぇ」
………
「先生!」
お、誰かが質問するか。名前覚えてないやつだが
「なんでしょう?」
「魔力が多いとかなんとかってことですが、魔力はトレーニングで増やす事は可能じゃないですか。なら関係無いんじゃ無いですか?」
「はいぃ、良い質問ですねぇ。それはですねぇ、魔力っていうのは皆さんの中にある器に入っていて、器の分までしか存在できないんですよぉ。魔力を増やすというのはこの器を大きくする事で、獣人や魔族の方が人間よりも大きくなりやすいってことなんですねぇ。大きくした分は自然回復で全快までたまりますぅ。純粋な人間はほとんど大きくならないため、魔力が乏しかったのです。分かりましたかぁ?」
「はい、ありがとうございました」
「いいえぇ。次いきますねぇ」
いちいち話し方がじれったいな、聞いてらんねえぞこりゃ…
「今いる種族のうち、ヒトとされるのは基本人間、魔族、獣人の三種と、エルフやドワーフの親族と呼ばれるものたちですぅ。ちなみに親族の方々は純血を守っている種がほとんどですねぇ。一応他にも魔族の中でも純血を守る一族も存在しますぅ」
「次に魔物と獣ですがぁ、魔力を持ち魔法耐性があるものが魔物でぇ、無いものが獣と考えてくださいぃ。例外もいますがぁ、基本はそれで大丈夫ですぅ。理性のあるなしと考える人が多いですがぁ、獣だって大差ないしぃ、知性のある魔物だっていますぅ。より正確なのは先ほど言ったほうなのでぇ、そちらで覚えてくださいねぇ」
「他にはぁ、神が直接作ったとされる神獣、精霊ですがぁ、神獣は獣型、龍型、鳥型の三種でぇ、魔力が特に強いもののことですねぇ。精霊は下級、中級、上級、八大、精霊王と階級があり、保有魔力が違うってことぐらいしかわかってませぇん。魔力量により姿が違いますが例外も多いため正確とは言えませんしぃ」
………やっぱそれ以上のことは分からないか
ま、その程度か
「みなさんは学園に入ったからぁ、使い魔が欲しいと考えてる人が多いと思いますぅ。一般的に使い魔はおとなしい獣や上級者で魔物ですぅ。基本的に自分を認めさせて、主従契約を結べばおぉけぇですぅ。たまに精霊や神獣を使い魔にする人もいますぅ、皆さんにも不可能では無いので皆さんも頑張ってくださぁい」
……使い魔ならもう持ってるんだが
それに神獣なんて普通の奴はまず会う事すらないだろうに
いや、この学園に来るレベルなら会う可能性はかなり高い部類なのか
従えるなんて事はまず不可能だろうが
「大体こんなとこですかねぇ。では一つずつ掘り下げていきましょうぅ……」
はぁ、こりゃ退屈だ…
従える人間が従える対象を理解していないとかは論外だ、俺にとっては常識の嵐だな
…
……
「あ、終わりですねぇ。では号令をお願いしますぅ」
「起立、礼…したぁ」
キンコンカンコンと鐘がなり授業が終わる。話し方のせいか多数が夢の世界へ旅立ってるように見えた。挨拶も雑だったし
……さて、菫ん所にでも行きますかね
「勇人さん、私もご一緒して構いませんか?」
「あぁ、かまわねぇよ。聞いても何にもならない話だけど」
ま、あそこで聞いた程度で引っ込んでくれるとは思ってないし
「ん?勇人、どこいくんだ?」
あぁ、こいつにゃなんも言ってなかったな
「ちょっくら闇条に会ってくる」
「えっ!?闇条ってあの闇条か…?」
闇条の名を出したら露骨に驚く。目の前に郡山が居るのにな
「他にどの闇条がある」
「なら俺は…」
あんま見られたくねぇが、仲間はずれってのはかわいそうだよな……
少し悩むが義母さんの言葉を思い出して心の中でため息を吐く
「お前もくるか?」
「え!?い、いいのか?なんか訳ありみたいな感じだと思ったけど……」
変に鋭いな…
ま、今後付き合っていくなら多少はな
しっかし展開が急すぎてな……義母さんとの約束の件もあるしもう少し余裕もっていきたかったのにな
「気にすんな。行くならさっさと行くぞ?」
「お、おう」「はい」
…
……
「あ、兄さん」
「ん?菫か。今そっちに向かうとこだったんだが」
「兄さん!?ど、どういう事だよ勇人!」
ま、普通は驚くよな
「後で説明するから、落ちつけって仁」
「ん?……その人は?」
「ああ、俺の友達だ。一緒に話したいんだがかまわないか?」
「私は別に。それよりも場所だけど、姉さんに言ったら屋上開けてくれるって」
「……姉さんも来るのか」
まあ何回も話すよりはマシか
「ん。ということで屋上集合ね?」
「ん?一緒に行けば良いだろう?」
「少し購買に寄ってから行くから」
「なるほど。なら先に行ってるぞ」
「うん。また後で」
「確か屋上は基本立ち入り禁止だったはず…流石ですね、優菜さん」
菫が購買に駆けて行ったところで楓がぼやくように言う
「そうなのか。まぁいい、行こうぜ」
「はい」「お、おお」