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転生したら、【宝石族のお姫様】になってた??〜贅沢生活はごめんなので、のんびりスローライフさせてください〜  作者: 櫛田こころ


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第6話 腹ごしらえも済んで

 食後の紅茶も飲んで、後片付けをしたら。


 まずは、焚火の証拠を無くすことから始めた。レシアムと炭になった木片を風魔法で切り刻んでから、岸にある岩を浮遊の魔法で運んで上に乗せていく。


 ちょっと不自然な積み方にはなったけど、多分、大丈夫。


 そこからは、ちょっとブースト移動して例のフーリスの葉が自生しているとこに。昨日収穫した箇所はともかく、ほかはまだたくさん実っていたから……これまた同じように、魔法で収穫。


 インベントリに入れておけば、腐敗進行もしない時間停止の作用が動くから鮮度も問題なし。


 お肉はタンパク質として必要な栄養素だから、次は別の食料を確保しなくちゃね!



「レシアム? ほかにもあるって言ってたけど……この近くにあるのかな?」



 私の守護精霊になってくれたレシアム先生にお伺いしてみたところ、ふんふんと犬に似た鼻を動かしてなにかを探ってくれたのだった。



『少し、甘い匂いがするね? フーリスのような、肉とかじゃない。ちゃんとした果物かな?』

「ほんと? 案内してくれる?」

『うん、こっち』



 レシアムのブーストに合わせて、私も速度をゆるめた。五歳児の身体だけど、身体強化もかけまくっているから痛みとかは特にない。そこそこ走ってから彼が止まると、その上には銀色の『なにか』が実っている樹が見えてきたわ。



「……大きな、いちご?」

『いちごって?』



 そう。普通なら、地面とか栽培されている畝とかに自生している……基本、女の子なら大好きな『いちご』なんだけど。


 それが、りんごサイズで色が銀色。香りは私でもわかるくらいに、甘酸っぱい香りが漂ってきている。……ファンタジー要素満載の世界で生活していた割に、知らないこと多過ぎねって、勉強になるわ。



「もっと小振りでね? 草に混じって自生する果物だったはずよ?」

『そうなんだ? 収穫する? どうする?』

「食べてみたいから、もちろん収穫よ!」



 手が届く位置にはないから、これも風魔法で収穫。よじ登れなくはないでしょうけど、服を汚したくないもん。魔力は枯渇してないから、使えば寝て回復って感じなのよね? ゲームのMP自動回復ってとこかしら?


 とにかく、手に持つと本当にりんごくらい大きい。味は大味でないことを期待したいけど……ひと口かじってみれば。



「!!?」

『しゃくしゃくしてる~。美味しいねぇ?』

「甘……甘過ぎる!! けど、これ、すっごく高級ないちごじゃない!?』

『シェルンの実が?』

「覚えたわ。これも、貴重な食糧ね? もうちょっと収穫したいわ」



 りんごみたいにしゃくしゃくした食感はあるけど。甘さが濃厚。あんまり酸っぱくなくて……日本だったら、ひと粒1000円くらいしたあの高級いちごとか言われてもおかしくないジューシーな甘み。


 これが食べ放題って、信じられないわ。味わってひとつ食べ終えたら……口周りの果汁はハンカチで拭いとる。色は見えないと思ったら、少し銀色に光っていたの。不思議食材でも凄い色ね?



『ほい、ほい、ほいっと』

「ひぃ、ふぅ、みぃ……もう少し」



 インベントリに入れてから、少し休憩して。……レシアムと、これからのことについてもう少し打ち合わせすることにしたわ。



『君は、城には帰りたくないんだよね?』

「ええ、もちろん。婚約者も勝手に決められるのはごめんだし。出来れば、この国からも出たいわ」

『……けど。身分証ないでしょ? 君の場合精神との釣り合いが出来てないし、大きくなる可能性がすぐにでも出るかもしれない』

「……そうなのよね?」



 前世って記憶持ち。


 今世では、聞き分けがよくて機転の利く神童扱い。


 実年齢は五歳でも、外見が年齢相応になるとは限らない。話し方も中学生くらいにはきはき話せているから……いつ、成長期が訪れてもおかしくないもの。


 だけど、うだうだしていたら……追っ手がくるかもしれない。なら、しばらくは山を歩いてレシアムとのデュオキャンプを続けるべきかしら? その途中で成長期が来たら町へ降りてギルドで身分証を作ればいい。


 それをレシアムにも伝えると、なるほどね、と頷いてもらえた。



『本当に。そこいらの大人顔負けの機転の良さだ。普通の幼子じゃ、そんなところまで考えないもの』

「ありがと。もう一個ずつ、シェルンの実食べてから出発しようか? 拠点にしたら、ここ焼野原にしちゃうし」

『そうだね。そうしよう』



 ひとりで生活していくつもりだったのに、相棒が出来るとこんなに頼もしいと思えるんだから。


 そこはまだ、年齢相応の安心感が備わってしまってたのかも。でも、今はそれでいいわ。彼とはずっといっしょなのだから。

次回はまた明日〜

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