第21話 お風呂は正義
レシアムから、セルシスが湯当たりしちゃって寝ているから……その間にお風呂使ったら?、と言われたので。
料理もまだ作ろうか悩んでいただけだし。せっかくだから、転送魔法で湯舟を移動させて入ることにした。レシアムはセルシスといっしょにいてくれるってことで離席してくれている。お布団はもとい、裸を見せるのは……さすがに嫌だもの。彼、男の子だし?
セルシスはもってのほかなので、もっとダメ。
ただし、身体を洗う石鹸についてはクルリの塩がいいと教えてくれたから、実行してみることにした。
「うわ~。身体の角質ぽろぽろ落ちていくみたい?」
石綿って言っていたし、石関連の私たちとは相性がいいのかも? 調味料にも、薬用洗剤にも使えるのってすごい発見だわ。髪にも使ってみたけど、パン粉をまぶすみたいで面白い。
湯で流すときは部屋を浸水させないように、簡易結界の中で泳ぐようにして洗った。終われば、排水するようにして消去。
あとは、念願の湯舟に浸かるだけ!!
「ふわ~~。気持ちいぃ~~!!」
成人男性が余裕で浸かれるくらいの広さにした分。子ども体型の私なら、軽く泳げちゃう!!
湯量も少し減らしたから……ぷかーって浮力のおかげでゆったりのんびり。
だけど、この気持ちよさに浸かり過ぎて湯当たりを起こしちゃいけない。なんだかんだで、セルシスもまだ十二だから少しはしゃいじゃったのかも。
(ワイルドイケメンの子犬っぽいところ? 懐いてもらえてる感じだし……悪い気はしない)
嫌われているよりはずっといいし、そもそも興味持たれていると宣言されているんだもの。友人扱いにしてはいい兆候ね?
「けど、お風呂って……さいっこう!!」
しっかりと湯舟の中で手足を伸ばせるし、メイド抜きにひとりで入れる極楽気分は最高としか言いようがないわ!!
これで、大人だったらお酒飲めるんだけど……この肉体で飲酒はやめた方がいいから、まだ出来ないのよねぇ?
代わりに出来るとしたら、風呂上がりのジュース!!
それを思いついたら、しっかり髪とかの水気を乾かしてから準備をすることにした。
「シェルンの実で、スムージーっぽいジュースが必要ね!!」
器の中に入れて風魔法で実を粉砕。さらにスムージーっぽく撹拌していく。
これを人数分作って……コップはくすねてきたのがちょうどみっつあるから、大丈夫。
レシアムに準備が出来たことをテレパシーで告げたら、セルシスを起こしてくれた。
「済まない。しばらく寝てしまって」
「その間に入ったから、全然いいわよ?」
髪がちょっとぼさぼさになっているとこも似合うんだから!!
とにかく、出来上がったジュースのコップを渡すと色が銀色だから魔法薬かと疑われたわ。
「これは、薬か??」
「ううん。途中で収穫してきた、シェルンの実よ」
実物を見せてあげれば、眉間にしわを寄せちゃった? なんでかしら??
「……間違っていなければ。これは、精霊様の加護の強い植物では??」
「え? そうなの??」
『間違ってないよ~。あそこはぼくの管轄じゃないけど』
「そういうことは、さっさと教えてよ! ……その精霊様に怒られてない?」
『大丈夫大丈夫。ぼくの方がトップだから、断りだけ入れたらどうぞどうぞって』
「「……それでいいの/か??」」
けどまあ、作ったものは仕様がないので……ひと口飲んでみると、三人で一気飲みしてしまうくらい爽やかな甘さが強く舌の上で感じ取れ、さらっとしたのど越しが絶妙だった。
つまり、めっちゃ美味しいいちごスムージーだったわけ!!
『「美味しい~~」』
「……美味い、な。飲みやすい」
「作って正解~。けど、実はあと一個しいかないのよねぇ?」
「アルマリンが飲めばいいのでは?」
「ダメよ。美味しいものは皆で分かち合いたいの」
「……そうか」
正直なこと言っただけなんだけど。
ワイルドイケメンの、ふっ、とした笑い方に……トゥンクとか、ときめきかけた!? 鎮まれ、私のミーハー魂!! 相手はまだアイドル研修生くらいの年頃なのよ!!? 成長期真っ盛りの子ども!! と、今では年下じゃなくて上だけど……私の中身がおばさんぽいから、なんか犯罪者気分になっちゃうのよねぇ?
次回はまた明日〜




