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転生したら、【宝石族のお姫様】になってた??〜贅沢生活はごめんなので、のんびりスローライフさせてください〜  作者: 櫛田こころ


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第1話 突然ですが、わたくし

新作です!!

 ひょんなことから、通学に使っていたバスが衝突事故に遭い……私は前の席に座っていたので当然押しつぶされ死亡。


 痛いと思う間もなく、あっという間に死んじゃったら終わり?みたいな感想しか出てこなかった。


 はずなのに、気がついたら大声で泣いてて視界は変に歪んでいたのよね?



「まあ、素敵な赤様!」

「輝かしい銀の御髪!!」

「透き通るような、蒼の瞳ですわ!!」

「王妃様、おめでとうございます!!」

「「おめでとうございます!!」」



 などと、わいわい騒ぐ女性たちの声がうるさい。


 でも、注意しようにも私は体がとっても小さくなっていたし、『おぎゃー』しか声が出せなかった。


 つまりは、よくある転生ネタとやらに引っかかったみたいで……。



(しかも、母親が王妃ってことは!?)



 自分の時間が自由にならない、スローライフからの脱線ルートに他ならない。


 だったら、と私は……決めたのだ。ある程度の年齢になったら、国を脱走しようと。



 出来るのに時間がかかるのは仕様がなかったが、節目である五年目に計画を実行することにした。


 レーデンブルク王家、第一王女脱走劇。


 ただの王女ではない。私を含めるこの国の民たちも人外。


 【宝石族】という俗世から少し距離を置いた精霊族に近い存在。そんな王家の一員として生まれたのが、狩野美夜って前世の記憶を持つアルマリン姫。それが私の現在の立ち位置。


 たった五歳だけど、今日のために割と早い段階から座学と魔法の勉強をこなし……神童とまで謳われたりもしたが、そんなことはない。


 高校生くらいの知識があるだけで、勉強がやけに簡単だったからだ。あと、趣味のアウトドアを意識して火と水魔法は得意になったくらい。


 そう。自由を許されない王女だからこそ、アウトドアがしたくて仕様がなくて。両親や弟妹たちには悪いけど……わたくし、せっかく転生したのならスローライフがしたいので家出させていただきます!!



(おまけに、五歳なのにもう婚約者とか紹介されそうになるのよ?? 自由恋愛派じゃなくても、決まりがあるのは嫌!!)



 シーツをバルコニーから垂らし、氷の魔法をかけて固定。


 普通なら冷たくて降りるのも億劫でしょうけど、手に微弱の火魔法をまとわせているから問題無し!!


 しゅ、するり、と地面に近いところまで凍らせていたため、あっさりと降りることは出来た。


 そして、次のミッションだが見張り番の衛士たちの目を盗んで、門を抜け出すこと。


 これには秘策があった。火魔法を解いてから、指を組んで祈るようにして魔法を展開させていく。


 長い銀の髪が揺れ、そこから銀粉が生じて体全体に降りかかる。これだけで大丈夫。



「……誰かいるのか?」



 衛士らしき人影がカンテラを持っていたけど、私の姿は見えないはずよ。透明と言うか、光の屈折を利用して相手の視界に映りにくくする魔法。オリジナルじゃなくて、ちょっと古い魔法を使っているだけ。


 成功を確認してから、少し駆け足で庭を駆けていく。途中で、衛士あたりが残してきた氷のヴェールを見つけたのかで騒ぎにはなったが……それも計画のうち。


 態と証拠を残して、他国とかに引っ捕らえられたとかにしたかったから。言い方悪いけど、誘拐騒ぎにして混乱状態にしたの。


 でないと、今晩の婚約者発表パーティーでお披露目どころじゃなくなるものね? 私はメインだから、メイドに呼ばれるまで自室待機してたの。


 大事に育ててくれた両親は優しいし、いい人たちではあったけど。王家のしきたりに縛られるのはごめんなので、ここは自分のやりたいように生きていきます。


 門に到着したら、まだ貴族たちの馬車が行き来するとかで開門はしていた。この隙に……と、風魔法をブーストするように使ってダッシュ!! 子どもの駆け足なんてたかが知れているもん。


 けど、ブーストすることでどんどん城から離れていくのをチラッと見て……手でガッツポーズを作った。



(皆、元気でね〜)



 ブーストはしばらく解除しなかったが、アルマリン姫は本日からスローライフのために出奔致します。ごめんあそばせ!!

今日は三話まで

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