ハナの記録⑧ 休日とルームメイト
先日のコンベア事件を受けて、今日は工場全体が休止になった。
今頃、ロナさんは反省文を書かされているのだろうか…
なので朝から部屋でぼんやり座って過ごしている。
今頃、ロナさんは反省文を書かされているのだろうか…
そんな訳で、急に休みになったので特にやることもない。
今は、なんとなくルームメイトを眺めている…
……
まずはハロ。
一番仲が良く、作業場も一緒。
比較的大人しいが、よく動作不良を起こす。
今は、ウィッグにしようとしてた黒いコードを手に持ってなにやら考えているようだ…
「ハロ、なにしてるの?」
「うん…これ、捨てた方がいいか考えてる…やっぱり、ちょっと髪には見えないから」
なるほど、まだ髪の話を引きずっていたとは…
もしかして、ロナさん作のウィッグはハロにあげた方が良かったのだろうか…?
まぁ、あれはもう捨ててしまったのだからあとの祭りだ。
……
ハロから視線を少しずらすと、ハハが両手を高く掲げていた。
ハハは他の子よりも元気が有り余っているのか、いつも動きがオーバーだ。
見ている分には明るい気持ちになれるが、たまに手の動きがうるさくて話の内容が入ってこない。
今も、なぜずっとバンザイしているのか分からない…
「ハハ、なにしてるの?」
「あやとりだよ!」
なるほど…確かに手の指をよく見ると、紐が絡まっていた。
しかし、あやとりは手を高く掲げる必要があっただろうか…?
絶対、見上げるより見下ろしながらやった方がいいと思うけど…
そんな疑問も、夢中になっているハハの表情を見るとどうでもよくなった。
……
そしてハハからも視線をずらし……またハロを見た。
どうやらハロはまだ捨てるか悩んでいるようだ…
「ちょっと~!?アタシにも聞いてよハナちゃん!ほらほら、なにしてるのって聞いて~♪」
「ハク…私は今、ルームメイトについて考えてるんだよ」
「そっか、残念……じゃなくて!アタシもルームメイトなんだけど??」
なにか聞こえたが、そっと目を閉じて思考の世界に逃げた——
この部屋は4体で使用している。
私、ハロ、ハハ…そして、さっきのハクだ。
隠すつもりもないので言ってしまうが、私はハクが苦手だ。
まぁ…別に嫌いではない。
ただ、どうにもテンポが合わないのだ。
でも、ハクはそう思っていないのか、いつもガンガン距離を詰めてくる。
私がハクを無視するのも、スルー芸だと受け取られているようだ。
なので、最近は半ば諦め気味である。
他者との付き合いというのは難しい…人間もそうなのだろうか?
私は観念して、息を整えてから質問する——
「じゃあ、ハクはなにしてるの?」
「ん~、別にな~んもしてないよ♪ハナちゃんと一緒♪」
「………」
ふぅ…危うく放電しそうになった。
ちゃんと息を整えてから聞いたのに、それでもギリギリだった…。
別に嫌いではないって言ったけど、やっぱり嫌いかもしれない。
今日は早めに休眠しよう…
そして、無駄な記憶は消去するんだ——




