新任管理者の記録
No.00001
本日、前任の管理者(製作者)から正式に仕事を引き継ぐ。
戦況は思わしくなく、この工場も機械ユニットを残し、人類は本部まで撤退するとのこと。
全ユニット異常なし。工場の稼働を継続。
No.00091
本部から定期連絡。
5、21、28番の部品を申請。
整備が必要なユニットが増えてきた為、本日より定期巡回後に面談を開始。
不具合の早期発見を図る。
No.00267
前線より、弾薬の追加申請。
本日面談の87番から、呼称変更の申し立て。
断ると、驚くほどの執着を見せた。
87番→ハナに呼称を変更。
No.00281
多くのユニットから呼称変更の申し立てあり。
やはり呼称の変更を容認すべきではなかった。
作業に支障が出始めた為、全ユニットの呼称を変更。
No.00330
本部からの定期連絡なし。
サン、イロ、イナ、フミ、ココ、ハロの部品を申請。
応答なし。
No.00474
前線、本部共に定期連絡なし。
サン、イナを本日より休止。
作業の割り振りを変更。
No.00630
ハチ、クー、フミ、ミオを休止。
熟慮した結果、輸送ユニット・イオを使用し施設外の調査を開始。
これは規定に反するが、業務継続の為に必要と判断。
No.00651
施設の周囲10km及び前線に生体反応なし。
本部までは更に距離があり、舗装もされていない為、イオでは調査が難しい。
No.00695
本部と連絡が途絶えて1年経過。
規定通り、データの消去と機械ユニットの全廃棄を検討。
…
検討の結果、規定に反するが、本部の確認がとれるまでこの件は保留とする。
イオを改良し、本部の確認を試みる。
No.00913
改良に予想以上の時間がかかっている。
道のない山を越えるのはイオでは難しいのかもしれない。
自身を改造し、稼働時間を延ばすことを検討。
…
これはもっと早く検討すべきだった。
私も故障しているのだろうか。
No.01418
巡回と面談以外の時間で自身の改造を続け、ようやく目処がたった。
私のスペックから考えても、明らかに改造のペースは遅かった。
スキャン結果、故障箇所不明。
…
明日、施設を離れ、本部へ確認に向かう。
No.01472
工場に帰還。
本部に生体反応なし。
建物の惨状及び端末の記録から、撤退した可能性は低い。
…
データの消去と機械ユニットの廃棄を検討。
No.01486
施設を離れている間に故障ユニットがかなり増えている。
ハロ以外の70番台以降のユニットにも故障が目立つようになってきた。
修理に必要な部品を申請。
応答なし。
No.01500
検討の結果、施設の現状を維持。
本部は撤退し、連絡が取れない状況である可能性も捨て切れない。
辺りに生体反応がないことから、工場に危険が迫っているとは考えにくい。
…
ハナが調合中に気を反らし、事故を起こしかけた。
様子を見て、危険であれば休止させる。
No.01674
前線付近が輸送した弾薬で埋め尽くされている。
弾薬の製造量を減らす。
古い弾薬は回収・分解し、使える部分を再利用。
…
判断は正しいのだろうか。
自身を検査。異常なし。
No.01799
故障ユニットが増えた影響で施設内の事故も増加。
各所の負担を減らす為、大規模な配置転換を実施。
今は、少しでも長く施設の稼働を継続させる。
…
やはり修理に必要な部品を入手する必要がある。
No.02156
時間はかかったが、修理に必要な部品を製造できるよう整えた。
休止していた多くのユニットも順次復帰予定。
ハナの症状は修理が難しいと伝えたが、「個性だから大丈夫」とのこと。
本人が納得しているならそれでいい。
…
施設の今後についても、私が納得しているならそれでいい。
これ以上の思考は無意味と判断。




