ハナの記録② 世代とミミ先輩
私の名前「ハナ」は87番からきている。
「ハロ」は86番。
1つ後ろの子は「ハハ」って名前で、「なんだかお母さんみたいだね」って3人で話したことがある。
そういえば私にもお母さんはいるのだろうか?
作ってくれた人がいることは知ってるけど、顔は見たことがない。
———うん、やっぱり記憶にはなさそうだから今度主任に聞いてみよう。
87番というのは実はかなり後の方で、ここには99番のククちゃんまでしかいない。
そのククちゃんも、多分20年くらいはここで作業をしていて、「そろそろ私にも後輩ちゃんがほしい!」 なんて話していた。
80番台の子達はみんな私と同世代…つまり、同じ時期に作られた。
髪は灰色で、割と複雑なことも考えられる。
90番台の子達の髪はちょっとだけ濃い灰色で、ちょっとだけ性能が良い。
うん…ちょっとだけね。
逆に番号が若くなると髪色は薄くなっていって、50番台になると髪は真っ白だ。
それよりも若い番号の先輩は、私達みたいな人型ではない。
私と関わりがあるところだと、33番のミミ先輩は白い三角錐に小さな目がついている。
動きや音でコミュニケーションはとれるけど、言葉は話せない。
ミミ先輩は、普段は弾薬を製造する部屋にいて、遅れが出たりすると知らせにきてくれる。
つまり、ミミ先輩が来ると私達はしばらく休憩になるということだ。
それもあってか、ここではミミ先輩は人気者だ。
特にロナさんはミミ先輩が大好きで、「可愛くて天使みたい…」とよく口にしている。
ロナさん曰く、天使は飛べるのだそうだ。
確かにミミ先輩も移動する時はフヨフヨと浮かんでいる。
私はまだ天使を見たことはないけれど、空中を漂いながら知らせに来てくれるミミ先輩は確かに可愛い。
でも、いつか本物の天使にも会ってみたいな。




