↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サクラのキセツ 陽  作者: 斎藤桜
PR
65/167

未来の夫

「ねえ咲希ちゃん、一葉さんが危ないってどうゆうことなのさ。その手紙お父さんからなんでしょ、なんて書いてあったのさ」

 真面目な咲希の表情を見て、やっと和輝にも緊張感と言うものが生まれる。和輝にとって、一葉は大切にしたい女性。危険から救うことは出来なくても、状況くらいは知りたかった。

「俺は未来の夫として、それを知る権利がある筈だ」

 お願いしても咲希に教える気配がないので、再び緊張感を捨てる。いつも通りの変態を装い、いつも通りの咲希に戻って貰おうとする。そうして教えて貰おうとしていたのだ。

 しかし、和輝のそんな考えに引っ掛かる咲希ではない。甘くて警戒心の低い咲希だけど、決して馬鹿ではない。相手が誰であっても、秘密を漏らすことはないのである。

「うるさいな、お前が誰の未来の夫だってんだよ。この大切な手紙の内容、お前なんかに教える訳ないだろ。まだお前の正体は分からないままだし、間諜と言う可能性も十分ある」

 そこまで言って、一旦咲希は口を止める。和輝の悲しそうな表情が目に入り、そうするしかなかった。落ち着いて息を整えて、続きを言う。

「いくら、信頼し合ってるって言ったってさ。わざわざ一人で読めって言われてる手紙を、頼まれたからって公開したりしないだろ?」

 悲しませない為に、咲希なりのフォローの言葉だった。信頼はしている、そう言う意味の言葉であった。それでも和輝は、咲希の言葉が素直に悲しかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。