仲良し
「確かに変態ではあるが、私の事を思ってくれてるとは思うんだ。まあ、誰でもいいのかもしれないけど」
和輝のいいところをあげようとした咲希。しかしすぐに自信が無くなっていってしまった。
いいところを本当は沢山知っている。知っているからこそ、上手く言葉に出来なかった。そして、いいところが思い付かないように錯覚してしまったのだ。
「でもだからこそ、平和にはしてくれると思う。だって優しいから、……とっても。とってもとっても、優しい人だから」
何を言っていいか分からなかったけど、最もいいところは迷わずに言えた。この世界で生まれ育ったものでないからこそ、優しさを持っているのだ。
平和を生きていた彼だけが持つ、優しさ。確かに言い方によっては、甘さなどとも言えるだろう。しかしその優しさは、咲希にとってとても魅力的なものであった。魅力的なものに見えていた。
「本当? そう言って貰えて、俺も自信が出て来たな。それに俺自身も、誰も傷付けたくない。戦いを終わらせたい、そうは思ってるよ」
そんな咲希と和輝を見て、野乃花は吹き出してしまった。二人の穏やかさに、思わず笑ってしまった。




