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素直に
「多分この本です。平和な世界からやって来て、たった一人で世界を平和に導く救世主ですなんです。変態がそうとは、考えたくないですけどね……」
野乃花は大事に抱えていた本を、二人にも見えるよう机の上に丁寧に置いた。
「世界を平和に導いてくれる、救世主? 俺もこんな俺がそうだとは、あんまり思えないな」
和輝本人も野乃花に続いてそう言った。自分と同じ意見なのに、野乃花は和輝の言葉が気に入らなかった。
「どうして自分のことをそう言うのですか? そんなの普通なら信じられません。誰だって、自分が救世主であると主張する筈です」
それが野乃花の中での常識であった。ライバルは落とし、自分のことを褒め称え認めて貰おうと努力する。特に自分が仕える人の前では、アピールを欠かさない。それが野乃花の中での常識であった。
「私はそうなんじゃないかと思う。確かに変態だけど、優しいから。救世主にもなってくれるんじゃないかな? そう思う」




