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豚
咲希は疑問に思っていた。なぜなら、林太の性格を知っていたから。
「楓雅殿に説得されたとかじゃないんですか?」
反対に、野乃花はそこまで疑問に思っていなかった。なぜなら、林太の性格を詳しくは知らなかったから。
「あの豚が説得されるとは思えないな。お前は豚に会ったことがあるのか?」
説得。そんな言葉は林太の辞書にはない。自分の考えは絶対だから、説得する必要も説得されることもないのだ。
それを咲希は知っている。だから不思議に思い、野乃花にそう問い掛けた。
「いいえ、実際に会ったことはありません。残念ながらノンは、林太殿のことを噂くらいにしか知らないんですよ」
野乃花のその答えに、咲希はやはりと思った。実際に会って話したことがあればそんなことは言えない、咲希にはその確信があったからだ。




