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サクラのキセツ 陽  作者: 斎藤桜
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優秀な忍者

「ああ、そうだな。食料も何もかも、全部輸入に頼りっぱなしだ。輸出は……深雪くらいかな?」

 初めは不機嫌そうに言っていた咲希。しかし最後だけは得意気な笑顔で言った。

「深雪様? 輸出とは……」

 咲希が言っていることの意味が分からず、野乃花は聞き返した。深雪を輸出すると言うのは、平凡な考えを持つ野乃花にとって理解に苦しかった。

「あんなんでも、深雪って優秀な忍者なんだ。だから深雪を貸し出したりしてるってこと。私はあまり行かせたくないが、本人が進んでやってるから止めない方がいいと思ってな。それに儲かるのも確かだし」

 咲希は微笑みながら野乃花に説明してやる。そんな咲希の表情を見て、野乃花は凄く悲しくなった。本人にも、理由は分かっていなかったのだが……。

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