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サクラのキセツ 陽  作者: 斎藤桜
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動き

 渋々と言ったように、野乃花は和輝のことも呼ぶ。一方、呼ばれた側はとても嬉しそうだ。

「うん、野乃花ちゃんにどこまでも着いていくよ」

 最早踊っていた。野乃花も咲希も、和輝に今更何も言わない。

「しかし咲希様は、どうお考えですか?」

 和輝の声など完全にBGMとし、野乃花と咲希は相談を始めた。彼は変態であるが故、優しいが故それでも構わない。ただBGMとして、喋り続けていた。

「ん? 分からないな。どうして豚が動いたの……か」

 野乃花が何について問い掛けているのかは、言わなくても咲希には伝わった。一番不審な点、なぜ林太が咲希を攻めたのか。ということ。

 玲奈の方は、元々咲希を嫌っていたから分からないでもない。しかし、林太は咲希を嫌ってなどいなかった。別になんとも思っていないだろう。そして彼は、自分の特にならないことには動かない。絶対に、誰の為であろうと。

 だから不思議で仕方がなかったのだ。なぜ、なぜ林太が咲希を攻めたのか。それも、楓雅を向かわせたということは本気ということだ。

「失礼ながら咲希様のところには、いい資源地がある訳ではありませんよね」

 咲希が治める土地は、あまりいい場所ではないのだ。なぜなら土が悪く、作物を作り難いからだ。それに鉱山などがある訳でもなく、森や海にも面していない。お世辞にも、林太が欲しがるほど魅力的な場所とは言えなかった。

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