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サクラのキセツ 陽  作者: 斎藤桜
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秘密で

 咲希には内緒で、夜中に深雪は日良の元へと行っていた。誰にもばれることなく、二人きりで秘密の話をしている。

 狭い部屋の中を、一本の蝋燭の火が照らしている。薄暗いその部屋で、二人は向かい合って座っていた。互いに互いの顔が見える位置だが、二人は一度も目を合わせたりはしなかった。

「にししし、分かったぜ。しかし日良、今度はしっかりしてくれよ? 良い加減に”あんな国”を滅ぼしてくれないと、深雪の立場ってもんが無くなっちゃうんだよね」

 不満げに訴え掛ける深雪。しかし、日良はそれにも微笑んで返した。

「分かってますよ。出来るだけ頑張ります。だけどあの失敗は、私だけのせいじゃないと思います。これからも協力して、頑張りましょう。ねえ、深雪様?」

 微笑みは崩さないものの、日良も何かが不満そうだった。

「深雪は完璧だっての。もう準備も出来ている。日良、お前待ちだ」

 完璧。そう言う深雪だが、本当は不安だった。不安だったからこそ、完璧と言って日良にこの先を任せようと考えたのだ。

「ふふふっ。はいはい、分かってますよ。私も完璧です」

 その意図を知ってか知らずか、日良も完璧だと微笑み返した。

 風で蝋燭の火が揺らめき、深雪の瞳には日良の微笑みが怪しく映っていた。

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