剣帝
翌日。俺たちは騎士団の訓練に来ていた。何故か今日は団長も初めからいた。
「よーしお前ら今日も素振りからしていくぞー。団長さんもやるってことでいいんだな?」
「ああ。」
「では振り下ろしから。開始!」
「「「はっ!!!」」」
流石にジルが1番綺麗なようだ。剣聖スキルは伊達では無い。逆に剣術系のスキルを持ってないと見られる者は結構下手だった。
次々と注意して回っていく。と、ジルの前まできた。
「よしいい感じだ。そのまま続けろ。」
「…………」
睨まれた。どうやら嫌われてしまったみたいだ。まあいい。ジルだけに構ってやる時間もないからな。
「次は模擬戦をするがその前に。俺とシンで手本を見せてやろう。参考にするように。」
「「「はっ!!!」」」
剣帝のフリッツが本気を出すと俺じゃあ相手にならないからもちろん手加減して貰う。そんなフリッツのステータスはこんな感じ。
名前 フリッツ
種族 魔人
年齢 5歳
特殊能力
身体能力強化
敏捷強化
筋力強化
防御力強化
武器攻撃力上昇
縮地
魔法の手
再生
魔法の真髄
魔法の手は自分の手のように扱える透明な手を10本まで動かせる能力だ。つまりフリッツは12刀流まで出来る。身体強化系も沢山持っているのでまさに一騎当千であると言えるだろう。縮地も相まって移動がガチで速いので正直俺が勝てる要素はない。剣術の腕前は変わらんし、オマケでついてる魔法の真髄のせいで魔法まで使ってくるクソ野郎だ。まあ、普段は魔法の手と魔法の真髄は封印しているんだが。切り札は隠しておくものなのだ。
「よし、いくぞシン。」
「ああ。」
俺とフリッツは剣を打ち合わせていく。まるで演舞のように綺麗な型だがその通り。思考共有で示し合わせながらやっているので攻撃が当たってしまう事などないのだ。
切り上げ、袈裟懸け、振り下ろし。全てを華麗に躱すと今度は俺の番だ。先程のフリッツと全く同じ動きをする。フリッツは俺の攻撃を全て受け流し、弾いていった。
「す、すげぇ。なんだありゃあ。」
「ああ。あまりに綺麗すぎる。演舞ですらこんなに上手くできねぇぞ。」
時に激しく、時にギリギリで剣を振っていく。その度に歓声が上がるのがとても楽しい。
だが、終わりが来たようだ。フリッツが俺を大きく吹き飛ばし、俺が宙返りしつつ着地したところで声がかかった。
「まあ、こんなもんだろう。お前ら参考になったか?次はお前達の番だ。シンと模擬戦をしろ。団長は俺とだ。シンとだと身体能力に差がありすぎるからな。」
「「「はっ!!!」」」
「なっ、私はシンと、、、」
「お前、強くなりたいんだろ?じゃあ俺とだ。」
「、、、いいだろう。お前に勝ったら私はシンとやるぞ。」
「ああ、いいぞ。言っとくが俺はシンより強いからな?よし、あっちの方でやろう。」
「団長、『剣帝』とやるみたいだぞ。」
「ああ。きっとすげぇ戦いになる。楽しみだな。」
「お前達、順番にかかってこい。」
「「「はっ!!!」」」
【Side 団長ジル】
こちらは団長と『剣帝』。模擬戦が始まろうとしていた。
「始めていいぞ。好きに攻撃してこい。」
「言われなくとも……ッ!」
まずは一撃当てて様子見から入る。上から下への単純な振り下ろしだが…………どうやら『剣帝』は反応出来ていないようだ。剣を構えたまま動かない。なんだ、シンに比べれば雑魚じゃないか…………
ドンッ!
私は派手に吹き飛ばされる。腹に衝撃。何かが当たったようだ。防御力強化のおかげで大した痛くはないが、、、。
ドサッ、ドンッ、ズザザザザッ!
無様に地面を転がる。一体何が起きたんだ。
「おいおい、団長さん思ったより弱えじゃねえかよ。軽く剣で撫でただけで吹っ飛んじまったしよぉ。」
「………ッ」
これで軽くだと?私は50mほど吹っ飛んでいるぞ。ほら『剣帝』もあんな遠くに、、、。
「おら早く立て。お前戦場なら2度は死んでるぞ。」
「なっ!」
気づいたら私の背後に立っていた。一体いつの間に移動したんだ。
私は勢いをつけて起き上がり、同時に『剣帝』から距離を取る。今度は油断しない。初めから本気で行く。
「はああああ!」
ズドンッ 強い踏み込み。下から上に掬い上げると見せかけてそれは囮。本命は右上からの袈裟懸けだ。
『剣帝』と目が合った。まずいッこれは全て読まれて………ッ
ドンッ!
衝撃。どうやら私の攻撃は完全に躱され、逆に攻撃を当てられたようだ。またもや私は地面を転がった。しかし同じ無様を晒す私では無い。転がりつつも体勢を立て直し、勢いが消える前に地面を押して立ち上がる。
ズササササ。
「はあ。はあ。はあ。」
「どうした?もう終わりか?」
「まだまだぁ!」
私が一撃、二撃と攻撃すると吹き飛ばされる。それをひたすら繰り返しているだけだ。防御力強化があるとは言え、流石に痛みを感じるようになってきた。
「どうやらお前は反応速度が大したことねぇようだな。動きは速いがそれに脳が追いついてねぇ。」
「…………。」
強い。あまりに強い。私が手も足も出すことが出来ずに敗北するなんて。これが『剣帝』。ランク10の冒険者ということか。まさに剣の帝王。その強さ故に付けられた二つ名、『剣帝』は伊達ではなかった。
私は無心になって剣を振るった。振るい、そして吹き飛ばされ、振るい、吹き飛ばされる。
私と『剣帝』の戦いは日が暮れるまで続いた。
「まあ、最初よりかは良くなったんじゃねぇか?よし、今日はここまでにしよう。」
「はあ。はあ。はあ。」
私は膝をついた。結局、『剣帝』に一撃も与えることが出来なかった。
「どうせ明日も来るんだろ?今日はゆっくり休めよ。」
「ああ。対戦、ありがとうございました。」
「こちらこそ。さっさと帰れよ。」
『剣帝』は手を振りつつ帰って行った。
『剣帝』は一体どれほどの実戦をこなして来たのだろう。身体能力では私と大差が無いせいで余計に経験の差を感じる。私はあれ程まで強くなれるのだろうか。
作品のタイトルを変えようかと思うのですが、何かいいのありませんかね?感想にて募集しようと思います。また、キャラクター名やらスキルやらでも良さげなのがあったら採用する可能性があるので皆様ドシドシ感想をください。




