40.納得いかないので仕返ししてみた
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「―――で、チビ……何やらかしやがったぁぁ!?」
「普通に加工して普通に売りました♪」
「何が「普通に加工して普通に売りました」だぁ!! なんだよあの花!」
「えー! ただのプリザーブドフラワーです。保存液のレシピも難しくないじゃん! 大体1人にしか売れなかったし!」
「あほぉぉぉぉ! コビットであることを自覚しろよっ! テメエの普通は普通じゃないからな!」
ギルドに響くオルカカさんの怒鳴り声を聞きながらメイガンさんと話しているリアです。
「ルゥさん……あの加工方法が今までにない方法って自覚してないのですね……」
「申し訳ありませんメイガンさん……。お婆さんが困ってらしたのでつい……」
「いえいえ。ただご家族の方が来られてルゥさん達の事を聞かれて対応に困ったくらいですから」
数日前、発作を起こしたお婆さんの代わりに店番をしていたのですが、その時にルティアさんが売り物の花を加工しまして。その花を購入されたのが貴族だったみたいで(なんとなく分かりましたが)、それが人気になったようで、お婆さんの家に他の貴族も購入しようと注文が殺到したそうです。
「まあ、ルゥさんが念の為にとレシピと加工方法をこちらへ置いていってくれたので、そのご家族には特別にレシピを無償で教えましたけど……」
「本当に申し訳ありません……。その後お婆さん達は大丈夫なのでしょうか?」
「ああ、心配にはおよびません。他の栽培者と共同経営であれを販売するようにしたそうですから」
「ほっ」
よかったです。貴族は無理難題を押し付ける輩が多いですから。運がいいのか、お婆さんの花を購入した貴族は良い方だったみたいで、逆に後ろ盾になって下さったそうです。あれから商売も上手くいっているようで何よりです。
「―――という訳だ! 分かったかチビ!!」
「納得いかん! 人助けしただけで何でだよ! 解せぬ!!」
「くわぁぁぁ! このクソチビっ!!」
ああ……まだ続いてますね。オルカカさんのルゥさんへのお説教。あの時止めなかった私も悪いですが、あの保存液自体は確かに難しくないから問題ではないでしょう。あるとすれば加工方法ですね。手間が掛かりますが日持ちする花。見栄を張る貴族にとっては自慢できる品の1つでしょう。商売をしているところでも店先に飾ったりしても見栄えがよいので重宝されるでしょう。貴族向けに商売すれば利益になること間違いなしです。ルティアさんの才能は相変わらず凄いですねぇ。
「ううっ! このハゲぇ! こうなったら……(ニヤリ)」
「あん?」
シュタタタタタタタ……ガシっ!
「!!??」
「メイガンさぁん! ルゥたん人助けしただけなのにあのハゲしつこいの……(キラキラ)」
「る、ルゥさん!?」
「ルゥたん背が低いけど好きで低いんじゃないのに……チビ、チビってイジメルのぉ〜(キラキラキラ)」
突如走ってきたルティアさんは私と話していたメイガンさんの足にしがみつき、目を潤ませながら見上げて言いました。
ルティアさん……それ嘘泣きですよね? 何やってるのですか!? か、可愛いですけど!
「こらチビ! オメエだって人のことハゲハゲ言うだろうがぁ!!」
「(ちっ! ハゲは事実だろうがっ!)うるうる……メイガンおねえたん♪」
「……ごめんなさいねルゥさん。すぐに片付けますから」
「ちょっと待てっ! それおかしいから! なんか意味が違う風に聴こえるから!」
「(パサリとフードを外し)う、うえーん! ハゲが怖いのぉ! そこのおねえたん達も助けてぇ!!」
「「「よいしょっと」」」
「待てえ! なんでオマエ達までこっちに殺気向けるのっ!?」
「可愛いは正義」
「ギルマスのお説教長すぎ」
「反省してるのに可哀想」
「いやいや! ソイツ反省してないから!」
「うえぇぇぇん! ハゲカカが怖いのぉ!!」
「「「ギルティ!!」」」
わざとフード脱ぎましたねルティアさん。コビットであることに怯えていたのが嘘のようです。逆にそれを活かすとは策士ですね!
「あの〜確かギルド職員って冒険者ランクC以上が必須でしたよね?」
「はいそうです……最低でもCランク相当の実力がないとなれませんね」
「ぎゃああ! 魔法使うな! 魔法を! うわあああぁぁぁぁ!!」
近くにいた職員に尋ねるとそう答えてくれました。……ということはあの女性達も腕が立つということですよね? 何か悲鳴が聞こえた気がして、ふと見ると黒焦げになったオルカカさんが転がっていました。い、生きてますよね?
「「「ミッションコンプリート」」」
「わあい! おねえたん達カッコいい!! メイガンさんもありがとー!!」
「いえいえ。うちのハゲカカ様がお説教長くて申し訳ありません。でもルゥさんも今度から何かする時は事前にギルドの相談して下さいね」
「はぁい」
フードを被り直し、猫を被ったコビット……ルティアさんは黒焦げのオルカカさんを無視してメイガンさん達と和気藹々しております。さりげにオルカカさんを蹴ってますし。
やりすぎです! ここはしっかりと私がルティアさんを注意し―――
「あ、リアたん。メイガンさん達が休憩らしいから一緒にお茶しようって」
「それよりもルゥさん、お話があり―――」
「えとね、お茶菓子にフルーツたっぷりのタルト出そうと思ってるんだけど?」
「さあ行きましょう! すぐにお茶にしましょう! すぐに食べましょうねタルトケーキ!!」
え? 注意? 何のことでしょう?
今から私はルティアさんの出すタルトを完食するという重要なクエストがあるのです!
「リアさんこちらへどうぞ」
「ありがとうございますメイガンさん! さあお茶会です! 女子会ですね!」
「女子会? 何ですかそれは?」
「うふふ。女子会というのはですね―――」
一部の職員の恨みがましい視線を感じながらメイガンさん達と別室へと向かいタルトケーキを堪能するのでした。
「あのチビを止めろよリア……(ガクッ)」
「メイガンさん達ズルイですぅ〜!! 私も食べたかった……」
「「「分かるよキャロ。でも私達仕事中……」」」
「ううぅ、残念」
ルティアは少しは慣れたけど実はまだ他人が怖いのです。
(え?そうは見えないって? てへっ♪)
リアは貴族令嬢がすっかり抜けてただの甘味女王と化してます(笑)
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