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スケルトンはガチャスキルで強くなる  作者: 一時二滴
第二章 壊れたる者
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ゴーレム

前回のスキル解説(いつもの違った感じなので分かりにくいかなと思って)


影撃ち:戦闘になった時、自身がまだ攻撃行動を起こしていなかった場合のみ発動できる。対象の影からスキルの効果を無条件に与えることができる。物理攻撃を影撃ちに乗せた場合、その攻撃に相当する威力を影が対象に与える。尚、必中ではなく、相手が攻撃に気付いた場合避けられる可能性がある。


泥沼:自身がこのスキルを意識しながら触れた地点をマークすることができる。マークした地点に一定重量以上の生物が立つとスキルが発動し、マーク地点を材質問わず泥沼へと変化させる。マークはひとつだけに限り再マークした場合、元のマーク地点は消失する。泥沼化の効果が続いている限り地点をマークすることはできない。泥沼の効果は自ら解除できず、一定時間経過後、自動的に解除される。

 何とかシズクに救出してもらいました。


「で、スキルの話だよね」

「あ、そうでした」


 絶対気まずい雰囲気になっていたはずだが俺は何食わぬ顔で話を戻す。

 これが大人の対応力と言えるだろう。


『自らが話を脱線させ……』


 叡智君少し黙ろうか。

 叡智とコントじみた会話をしている間にシズクは自身のスキルについて話していく。


「私、神様から成長の証ってスキルを貰っていて、そのスキルがレベルが十上がる毎に強力なスキルを一つを手に入れる効果があるんです。あと、レベルが上がった時のステータス補正値が普通の人よりかなり高いようです」

「へぇ、じゃあスキルたくさん持ってるってこと?」

「いえ、今のレベルは32なので成長の証を加えると四つしかありません」


 ステータス補正値が高いから強くなりやすくて短期間の間にボス部屋まで到達できるようになったことは分かった。

 だけどレベルが32は少し低すぎるんじゃないか?

 シズクは俺から見てかなり強い。全体のステータス値が2000はいってるんじゃないかってくらい強い。

 そのくらい強いならば死の洞窟の魔物相手なら、たとえ吸血鬼の血を服用した魔物であろうとも無双状態だったはず。

 ダンジョン滞在期間はおおよそ俺と同じだろうし、スケルトン→スカルスモーカー→モーダー→ガシャドクロの三段階の進化とそれに伴うレベルアップを経た俺と比べてみれば、もっとレベルが高くてもおかしくないんじゃないだろうか。

 ガシャドクロになる時は経験値大量ゲットのイレギュラーがあったが。


『人間と魔物では進化という機能の関係で必要経験値が大幅に違います。それに、彼女が死の洞窟を潜っていた本来の目的は本を手に入れる事であり、強くなったのは目的達成に付随した要素であります。そのためレベルが低いのかと』


 なるほど。


「でも最初に言った通り強力なスキルですし、大抵の事はステータスのみで対応できるので数は問題はないです」


 スキルいらず、ステータスごり押し。

 ゴリラかな?


「失礼なこと考えませんでした?」

「いや別に」


 いくら事実とは言え少女にゴリラは失礼だったな。反省反省。


 シズクのスキル説明は終わり、持っている三つのスキルは今後機会があれば見せてくれるそうだ。

 三つのスキルの中に恐らくデイルの転移スキルを破ったものがあるんだろうけど、めっちゃ気になる。見れる機会早く来ないかな。

 って、ステータスモリモリのシズクがスキル使わないといけない状況って普通はヤバいんじゃない?デイルみたいのが来るときとか。

 やっぱ機会なんて来なくて大丈夫です。


 そんな事を考えながら古の遺跡の最奥を目指して俺たちは進んでいく。

 土のゴーレムが複数出てもシズクと二人で楽々討伐していった。


 さらに奥へ進むと巨大な扉が俺たちの前に立ちはだかった。


「これはボス部屋?」

「多分。ここの魔物を倒せば最奥に行けると思います」


 古の遺跡は死の洞窟のようにいくつもボス部屋があるわけではないらしい。

 代わりにボス部屋の魔物は、道中の土のゴーレムと比べ物にならないほど強力で、よく初見殺しダンジョンと言われるらしい。以上、叡智談。


 俺とシズクは共にボス部屋の扉を押し開いた。

 中には鈍く銀色に輝く無数のゴーレムと中央に佇む一際目立つ金色のゴーレム。人並みの大きさしかない銀色のゴーレムの三倍はあるんじゃないかと思える体躯だった。

 銀色のゴーレムは金色のゴーレムを守る様な陣形を取り、守られている金色のゴーレムは尊大な態度でそこに佇んでいた。

 傲慢な王様を守る騎士みたいと言えば伝わりやすいだろうか。


『銀色のゴーレムは鉄のゴーレムです。硬度は土のゴーレムよりほんの少し上な程度でほとんど変わりありません。しかし水などの弱点は無く、通常攻撃、スキル問わず初撃を一度防ぐ性質があります。

 金色のゴーレムは黄金のゴーレムです。硬度は土や鉄のゴーレムの比にならず、鉄のゴーレムと同じく弱点無し且つ初撃を防ぐ性質を持っています。非常に強力なため、気を付けた方が良いかと』


 つまり、影撃ちと泥沼のコンボ、通称《影沼》は使い物にならないと。

 影撃ちは強力だが単体専用スキル。複数体を相手取る場合、その中の一体にしか効果を発揮しない。

 泥沼もマンホール程度の大きさしか形成できないため、影撃ちと組み合わせたところで巻き込めて二体だろう。

 影撃ちで攻撃を乗せようにもスキルと違い、気付かれて避けられる可能性もある。

 鉄のゴーレムを殲滅するには俺じゃ少々難しい。ならば……。


「シズク、周囲の鉄のゴーレムを頼む!俺は中央のゴーレムを引き付ける!!」

「了解です」

「喰らえ、影沼!!」


 影撃ちは確かに鉄のゴーレムに使っても複数いるため焼け石に水。

 しかし、黄金のゴーレムは一体だけ。ならばバリア剥がしに影沼は有効だ。


 黄金のゴーレムの影が落ちる足元が泥沼へと変化した。

 物理法則に従い、黄金のゴーレムは沼へと沈むかに思えたが、突如パリンッと弾けた音と共に泥沼が解除される。


「ンガガガガ!!!!」


 黄金のゴーレムが守りを無視して自身を攻撃したことに怒ったのか、怒り狂った形相で周囲の鉄のゴーレムを蹴散らしながらこちら目掛けて走り出す。


「自分で味方潰すのかよ」


 しかし、黄金のゴーレムにやられた鉄のゴーレムは何とも無さそうにしている。

 性質の力だろうけど、勿体ないな。


 俺は盾の形状をした大型の盾を擬骨生成で作り出した。

 大きさは黄金のゴーレムより一回り小さい程度。俺が持つにしては大きさが合わなすぎる盾ではあるが、これでいい。

 俺はシズクの位置を確認するため周囲を見渡し、射線上・・・にいないことを把握した。

 これで心置きなく放てる・・・


「来た道戻りな!!《重圧迫》!!」


 俺は黄金のゴーレムが一定距離まで近づいたことを見計らって巨大な骨の盾を押し出し、自身の体重をかけて突進する。


「ンガ!?」


 黄金のゴーレムは迫り来る骨の盾に突進で対抗しようと避けずに突っ込む。

 しかし、拮抗することなく黄金のゴーレムは後方に突き飛ばされ、骨の盾によって壁まで押しやられるのだった。

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