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花水木(ハナミズキ)
ハナミズキが赤い実を付け
その実を揺らす風が君を連れて行く
そっと触れば弾けて消えてしまいそうなその実は
まるで私たちの愛の形のようで
もっと遠くまで、もっと近くへ
行けばよかったと
今になって、ふと考えるよ
最後に泣いた君の顔が
ずっと忘れられなくて
ずるいよ
嘘が下手なくせに
君からもらった言葉が
赤い実の中に詰まっているの
頭上には高く抜けた空
冷たい風は頬を撫ぜて
長い月日を運んでいくんだろう
出逢った二人をのせて
ハナミズキの赤い実が
風に吹かれ揺れている




