80、快楽殺人鬼
おれは快楽殺人鬼だ。おまえさん、殺人鬼って聞いてどう思ったよ。
びびったか。びびるわけねえよなあ。これっぽっちで、びびってたら、とてもこの話にはついてこれねえぞ。なんていったって、ただの殺人気じゃねえ。
快楽殺人鬼だからな。快楽殺人って聞いて、どう思う。背徳的だと思うよな。
そうだよな。しかも、ちょっとやそっとの殺人鬼じゃねえ。大量殺人鬼だ。
いいか、大量殺人鬼だぞ。快楽殺人鬼のうえに、大量殺人鬼なんだ。
つまり、快楽大量殺人鬼ってわけだよ。どうだ。ちょっとはびびっただろう。
おっと、おまえさん、大量殺人鬼って聞いて、何人ぐらいの殺人を思い浮かべた。
一人か、二人か、そんなわけねえよな。三人か、四人か、それとも、十人か。
だが、まだまだ、足りねえな。だったら、百人か、千人か、一万人か。
どうだ。けっこう、おれのことが怖くなってきただろう。一万人を殺す快楽殺人鬼だぞ。
だが、本当のところは、一万人どころじゃねえ。十万人を超えるって可能性もあるぐらいだ。
どうだ、びびっただろう。
おまえさん、まさか、おれが核兵器でも持ってると思ってるんじゃないだろうな。
そうじゃねえぞ。おれは核兵器なんてもっちゃいねえ。その予想は外れている。
それじゃあ、おれはいったいどうやって人を殺すか。おれはどんな殺し方に快楽を得ているか。
わかるか。毒殺か、絞殺か、刺殺か、銃殺か、突き落としか、ひき逃げか。
どうだ、おれの殺し方がわかってきたか。いったい、おれがどうやって、十万人以上の人を殺すか。答えてやろう。それは、ここだけの秘密だぞ。
おっと、そう簡単に教えるわけにはいかねえな。だが、ここまできて話さねえってわけでもねえ。
教えてやろう。おれのもっとも好む殺し方を。それは、ずばり、老衰だ。おれは誰よりも長生きして、滋養強壮に気を使って、健康第一で規則正しい生活を送って、それで、他のやつらが年老いて死んでいくように仕向けてやるのさ。老衰死だ。これこそ、もっとも優れた快楽大量殺人の方法うわなにをするやめろこらへぶらげおべおべ。




