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Escape

シノは大量のお菓子の入った麻袋を上に掲げ、カノンを先頭とする烏天狗に向かって大きく息を吸い込み、


「ここに入っているのは現世の菓子だ!!君たちのような現世に行くことのかなわない者にとっては世にも珍しかろう!!」


芝居がかったように振舞い、大きな声で前方にいる烏天狗たち全員に聞こえるように叫んだ。


隣に居るコータは二の句を継ぐようにシノと同様に大きく息を吸い込み、


「そこで!この菓子を今からばらまきます!取ったもの勝ちです!さぁ──────」


上に掲げていた麻袋の紐をシュルリとほどき袋の口を大きく開け、


「「拾えぇぇぇぇぇええええ!!!」」


大量の菓子が宙を舞う。コータとシノは言い終わるがいなや、背を向け転位すべく駆け出した。


彼らの行動を静まりかえりながら見ていた烏天狗たちは刹那、


「俺のだ!!」「ふざけるな!俺が先に取ったじゃないか!」「おい!誰だ今蹴ったやつは!」


菓子へと群がり始めた。カノンの前にばらまかれたものにも、我が物にせんとする烏天狗たちが飛び込む。


カノンが呆気に取られている間に前方にはつい先程まで味方だったものたちのバリケードが築かれ、シノとコータからは距離を遠く離されていく。


「……なんて、報告すればいいんですのよぉぉぉぉぉぉおおおお!!」



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