表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/9

いわゆる昔語りというやつその2です。

 『死者の国』


 それはかつて死神と呼ばれた少女が暮らす場所。より正しく言うなら死神と呼ばれた少女のために造られた国。そこに暮らす住人は少女を除きすべて死人。

 『死者の国』が造られた理由はひどく単純。死神と呼ばれた少女そして今は姫と呼ばれる少女を悲しませないため。

 少女の力は無差別に命を刈り取る。


 少女と目があったから。

 少女の声を聴いたから。

 少女に触れたから。

 少女を殺そうとしたから。

 少女が死にそうだから。


 そんな理不尽な理由で周りの人間が死んでいく。


 少女はただいるだけで周囲に死をまき散らす。

 少女は自分の死さえも周囲に押し付ける。


 しかしそんな力をもつ少女の心はひどく普通だった。

 少なくとも周りの人間が死ねば悲しむ程度には普通だった。


 だからこそ少女は命あるものたちから逃げた。

 それゆえに少女の周りには命無き者たちが集まった。


 そうしてできたのが『死者の国』だ。


 『死者の国』は姫と呼ばれる少女が悲しむことを許さない。

 だからこそ、『死者の国』は少女以外の生者が存在することを認めない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ