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思い出に残るゴール

 お昼ご飯を済ませた私は,外にいた。お昼ご飯の後に体育は勘弁してほしいと毎回思うものだ。なぜかって?簡単である。私はたまに,親に体育があることを言い忘れてしまうのだ。そんなときに限って弁当の中身がかつ丼だったり,親子丼だったり,体育の前に食べていいものじゃないものが狙ったように出てくるからである。無論今回も私は,親に言い忘れてしまい,さすがに丼ではないだろうと思ったら,まさかの3色丼という,大変なことになっていたのである。しかも豪華に目玉焼き付き。母親はわざとやっているのだろうか。よって私は今,強烈に体育をやりたいと思えない。しかも今回の種目はサッカーで,今日からミニゲームを行うことになっていた。中身がリバースしないことを願うばかりだ。

 準備運動を済ませ,ボールを取りに向かう途中,

「結都ちゃん?今日3色丼食ってたけどいけんの?それに目玉焼きもついてたし。」

 なつきに話しかけられた。なつきとはクラスが隣同士なため,体育は同じになるのだ。後ろには咲ちゃんもいる。私は多少冷静ではあった。

「まー,この前はかつ丼食った後に持久走やっても大丈夫だったし……いけるっしょ。あ,でも私にもしなんかあったら助けてね。」

「任せて,無理しないでね結都ちゃん,」

 咲のフォローが響く。こういう時に友達がいてよかったと心から思う。

「あーあ,私サッカー苦手なんだよなぁ,どうしたら楽しくできるんだか,」

 なつきは声こそ枯れているものの,結構ほんとにいやそうであった。運動は苦手らしい。私はニヤニヤしながらこう答える。

「ボールが四葉よつばの顔だと思ってやってみたらどうだい?四葉の顔面が追っかけてくるみたいな。ほら,よつが前に自分で言ってたぜ,『俺ボールなんです』って。ちょっとおもしろくない?」

 なつきは大爆笑していた。容易に想像できたのであろう。咲も爆笑していた。無理もない。

 先生の指示でチームを適当に2つに分け,試合が始まった。とは言ってもうちの高校では,種目によっては男女分かれて行うことがよくあった。サッカーはその種目の一つだった。よって女子のサッカーの試合のコートはハンドボールコートで代用していた。だいぶ狭いコートでの試合となったわけである。なんとか同じチームの子がボールを運んでいる。私はサッカー自体下手だが,できることはよく考えるタイプで,なんだかんだちゃんと体がついてくるので,楽しくプレイしていた。するとパスが飛んできた。舞花からのパスだ。

「うおっ,行けっかなぁこれ――,」

「いけぇ――っ『ポン太ぁ――』。いけるぞぉ――――!」

 舞花が叫ぶ。「ポンタ」とはまぁ私のあだ名である。しかし私は必死に走っているため,ツッコむことはできなかった。

 そう言いながら私は敵チームに追いつかれないようパッパとボールを蹴りながら走った。案外いけそうだったが,歩幅が合わず,シュートは外した。

「あ――――。足が合わんかった,ごめんねっ」

 そう言ってるうちに,敵チームの咲がさらっとボールをとり,ゴールへ走っていた。

「あ,しまった,させるかぁ――っ」

 私はすぐにダッシュで自陣へもどる。しかし咲はうまくパスを出しほかの子へボールを渡していた。

「あ――,舞葉ぁ――――っ!!頑張って止めてぇ」

 力尽きる寸前の舞花がちょっと笑いながら叫んでいる。

 「えっ,ちょ,急!?ひえ――っ!」

 舞葉がキーパーをしていたが,さすがに一気に来られたので笑いながらもおびえている。

「いでっ!よっしゃ止めた!」

「いいぞ舞葉!」

 敵チームが放ったボールは舞葉の足に当たり,ゴールを防いだと思われた。舞葉の足によって跳ね返ったボールは勢いよく転がっていき,そして後ろから猛ダッシュで自陣に戻っていた私の足に直撃した。

「あっ」

 私の足に直撃したボールはそのまま舞葉の横を通り過ぎた。

「……」

 敵チームおよび審判をしていた教師も黙った。

「……え,」

 はっきり言おう。私は今ゴールを決めた。「オウンゴール」を決めたのだ。

「だ――――はははははwwwwww!ちょっとポン太――――――!最高すぎるよそれはwwwwww」

 舞花はさすがに予想してなかったのか,大爆笑しながら私に抱き着いた。

「マッジかよそんなことあんの!?ただのオウンゴールじゃないか!」

 そう叫んだ私は笑いながらやらかした顔をしていた。さすがに珍プレー過ぎて,その場にいた人全員笑っていた。運動嫌いななつきもこれには笑うしなかったようだった。

「マジ結都ちゃん……っwでも思い出にはしっかり残ったからねっ」

 なつきは初めて体育を楽しいと思えたかのように笑っていたように私は言えた。咲も同様のようだ。これは喜んでいいのか,ネタにして話すべきなのか,不快ではない複雑さが私の中にあったもののやはり私は笑っていた。

 後日このことをひなに話したところ,案の定しばらくの間その話で馬鹿にされることが続いた。結都の不憫は蜜以上なのだろう。

ご覧いただきありがとうございます!「オウンゴール」を決める結都,さすがすぎます。いろんな意味でインパクトすごいですね。そして謎のあだ名「ポン太」が登場しました,私のペンネームでもありますが。このあだ名は一体何なのでしょうか。いつか明かされる,,かどうかはわかりません。まぁ,次のお話にこうご期待ください。さぁ,この強烈なインパクトを糧に,本日も楽しくいきましょう。

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