↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
16/30

普通のことを異常な言い方で

 ある日の帰り道。空は白。しっかり曇っているが,雨が降りそうという訳では一切ない。そんな日のこと。私はいつも通り,ひなと一緒に駅まで歩いていた。話内容はくだらないことばかりで,グミのうまさについて語り合っていたり,バレンタインの日に食べられないゲテモノだけは持ってくるなという注意喚起だったりと,普通はしない会話であった。するとひなが急に話題を振った。ゲテモノの話ではなくなった。

「ねー結都,そういえば最近私席替えしたんだよね~,そしたら前と席変わらんかった」

「席替えじゃねぇじゃん,何の報告だよ(笑)」

 呆れた顔をしながら私はツッコんだ。ひなはすこし自虐っぽく笑った。

「で,結都は今どこに座っているの?たまに気が向いたらあんたの教室にちょっかい出しに行ってあげようと思うのだけれど。」

「いい迷惑だなちょっかいとか。ただでさえ多忙なんだぞ」

「多忙」という言葉を私はテンプレート化しているかのようによく使う。それ見たひなは,またかと言わんばかりにニヤニヤしている。

「どこが多忙よ,暇人じゃんか(笑)」

「んだと!?どっからどう見ても多忙だろ!目に何かついてんじゃないのか!?」

 席替えの話題からなぜこんな一瞬でずれているのだろうと,きっとお互い思っているのだろう。

「で,あんたの席はどこなのさ,多忙なのはよくわかったから教えてよ」

 ひなはかなり無理矢理ではあったものの,話題を戻した。私は自分が座っている席を頭に思い浮かべた。

(……廊下側の列の一番前……だったか,……やべっ,いいこと思いついてしまった,)

 私はひなに悟られないように,平静を装いながらこう言った。

「……仮に誰かが,前側の教室のドアをぶっ壊して教室に入ってきたとしたら,一番被害を受ける席だ。だからドアは壊さずに来るんだぞ。」 

 ひなは私のわけのわからない答えに爆笑していた。ひなにとっては「結都の不憫は蜜の味」なのだろう。

「最高すぎる,つまり,教室の一番前の廊下側の列なのねあんた。今度,四葉よつばも連れて行くわ,四葉何やりだすかわからないからやばいよ~,被害2倍だね(笑)」

(……こりゃミスった。)

 後々地味に後悔した帰り道であった。結都の顔は変わらず「無」であった。

ご覧いただきありがとうございます。今回はアイスブレイク回です。言い回しによっては,シンプルに言うよりも,面白く言えてしまう,結都のワードセンスが光っていますね。普通よりも異常な言い方の方が,楽しくていいかもしれないと日々思っています。それができる人こそ真のマブダチだったりするのかもしれないですね。では本日後半も頑張っていきましょう!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。