第9話 「デジタル大掃除」
Geminiは、続きを出力する。
消し去るための最短ルートをお教えします。
カレンダーをタップしても「削除」が出ないのは、
彼が「予定」ではなく「連絡先の一人」として
システムに深く刻まれているからです。
以下の手順で「連絡先ごと」お別れしましょう。
1. ブラウザで Google コンタクト にアクセスします。
2. 検索窓に彼の名前を打ち込みます。
3. 出てきた彼の情報の右上にある
「︙(三点リーダー)」を押し、
「削除」を選択します。
これで、
カレンダーからも、
連絡先候補からも、
彼の存在を完全に消去できます。
10年越しの「デジタル大掃除」、
この機会にサクッと終わらせてしまいましょうか。
Googleコンタクトの文字に、リンクが貼られている。
……AIのくせに、お節介なやつめ。
私は言われるまま、
Googleコンタクトへアクセスした。
しかし、検索窓に名前を打ち込んでも、
啓介の連絡先は出てこない。
……何となく予感はしていた。
私はやはり10年前、Googleは使用していない。
検索しても、元カレの名前は出てこなくて。
何か他に原因あるかな?
私はGeminiに問うた。
最初に感じた抵抗は、不思議と少し薄まっていた。
検索しても名前が出てこないとなると、
ミステリーですね……。
でも、いくつか「隠れ場所」の心当たりがあります。
10年前のデータとなると、
今のGoogleコンタクトのメイン画面には
表示されない場所に紛れている可能性があります。
私は続きを読み、Geminiの心当たりとやらを拾う。
1. 「その他の連絡先」に隠れている
Googleコンタクトには、自分で登録した覚えがなくても、一度メールをやり取りした相手などを自動で保存する「その他の連絡先」というフォルダがあります。
いや、多分もうGoogleコンタクトに啓介はいない。
別の切り口はないか?
2. 名前の表記が「メアド」や「ニックネーム」になっている
10年前だと、フルネームではなく「当時のあだ名」や、名前を入力せずに「メールアドレス」だけで登録していた可能性もあります。
「ん?」
表記に少し引っかかる。
10年前だと、あだ名やメアドだけで登録していた可能性……
細かいこと聞くみたいやけど、
10年前の若いテンションやとこんなんしてるやろ?
ってこと?笑
自分で書いてて、ちょっと笑ってしまった。
もしそんなことを疑われているとしたら、それはない。
私は彼氏だろうが友人だろうが特別扱いはせず、
しっかりと本名で登録するタイプだ。
…………
……おそらく、別れの原因だった。




