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美少女アンドロイドが色じかけをしてくるので困っています~思春期のセイなる苦悩は終わらない~  作者: 根立真先


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ep60 初期設定

 *


「ウサ。まさかお前までここに来るとはな」


 リビングのソファーにちょこんと座ったウサホにトラエが言った。


「久しぶりだね。トラエおねーちゃん」


 ウサホは足を揺らしながらニコッと笑った。


「タイミングが悪かったな。ちょうどウサホの大好きなネーコが入れ違いで未来に戻ってしまったところだ」


「ネーコおねーちゃんが戻ってくるまでウサもここにいるからだいじょーぶ」


 ウサホはニコニコとしながら、ふいに斜向かいに座る俺へ視線を向けてきた。


「で、ウサホちゃんは〔シスタープログラム〕をやりに来たって言ってたけど、それってどういう...」


 俺が本題を切りだすと、ウサホは食い気味に口をひらく。


「まず最初に初期設定をするよ」


「初期設定?」


「〔シスタープログラム〕の初期設定だよ」


「はあ」


「まず、ウサのことはウサと呼ぶこと。これはデフォルト設定であり変えられない設定。百歩譲ってちびウサでもOK」


「いや、ウサでいいよ」


「じゃあ次に、あなたの呼び方を決めるよ」


 ウサホは俺を指さした。


「俺の呼びかた?」


「次のうちから選んで」



1・おにーちゃん

2・にーさん

3・おにい

4・アニキ

5・兄様

6・兄者

7・兄上



「えっ?それから選ぶの?」


「うん。呼ばれたい呼称を選んで」


「ええっと......」


 何だこれ?

 どうすればいいんだ?

 要するにウサからどう呼ばれたいかってことだよな。

 うーん、どうしよう。

 とりあえず、世間体を考えると......6と7は却下だな。

 たぶん妹に何らかのプレイをさせている変態だと思われる。

 5もないか......。


「となると1〜4......」


 どれが一番、一般的なんだ?

 やっぱりおにーちゃんかな?

 あとひとつ気になるのが......。


「あの〜、質問いいですか?」


「どうぞ」


「例えば『おにーさん』とかはナシなの?」


「それはナシ。キャッチみたいだし」


「キャッチ??......えっとじゃあ、『にーちゃん』とかは?」


「それもナシ。よおニーチャン...て感じでコワイ人から絡まれてるみたいだし」


「でもそんなこと言いだしたら『にーさん』は吉本の芸人さんみたいだし、『アニキ』は...」


「もうっ!うるさい!とにかく選択肢から選べばいいの!ウサのハナシきいてる??」


「わ、わかったよ!じゃあ...」


「どれ?」


「無難な『おにーちゃん』で、お願いします......」


「はーい。これで初期設定は完了でーす」


 ウサはすっくと立ち上がると、なぜだか俺の隣に座ってきた。


「ウサ?」


「えへへ。おにーちゃん」


 ウサは俺の腕に抱きついて屈託なくニッコリと微笑んだ。


「あ、う、うん......」


 途端に俺は気恥ずかしくなりやんわり顔をほてらせた。

 が、トラエの視線を感じてすぐにウサの腕を振り払った。


「おにーちゃん?」


 ウサが可愛い上目を向けてきた。


「い、いや、なんでもないよ!」


 俺はおそるおそるトラエに視線を移した。


「別に気にしなくていい。それがウサの任務なのだからな」


 トラエはそれだけ言うと、


「ウサ。お前はワタシと同室だ。連れて行くから来い」

「はーい」


 ウサホを連れて二階に上がっていった。

 

 俺はソファーでひとり、先ほどの言葉を反芻(はんすう)する。


「おにーちゃん、おにーちゃん、おにーちゃん......」


 なぜかよくわからないが、ある意味で〔セクシープログラム〕以上の変態的な遊びをしているような気になってきた。

 なんというか、もっと背徳的というか......。

 いや、何を考えているんだ、俺。

 落ち着け、俺。

 ......。

当作品をお読みいただきまして誠にありがとうございます。

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気に入っていただけましたら今後とも引き続きお付き合いくだされば幸いです。

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