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終末の太陽  作者: 大窟凱人


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試験管生まれの子供たち

 未来、独身者の数は増加の一途をたどり、家庭を持っている人は全体の一割にも満たなくなった。


 今や家族持ちはマイノリティ。そんな社会情勢が後押しし、実用化していいのか議論の最中だった試験管ベイビー、つまり人工子宮による子供の出産のプロジェクトが始動した。


 生まれた子供は、子供を希望する独身者によって育てられる。もしくは施設で育ち、すくすくと成長した。


 はずだった。


 いつの時代も技術は悪用される。命の価値は軽くなり、試験管生まれの子供たちは裏社会で富豪の愛玩人形として使われたり、人体実験を強制されたりした。


 通常の独身者に引き取られた子供でさえ、身体的、情緒的ネグレクトが頻発し、人類に牙を向けるようになった。


 憎しみが、世界を席巻する。


 当然のように、数多くの反乱が起き、長い時間が流れた。


 純粋に生まれた人間はもういなくなってしまった。


 人類は存続を危ぶまれた。


 だが、人は変わる。時間さえあれば。それに耐えきれさえすれば。


 初期の世代は愛情を必要としたが、最新のベイビーたちはもはや愛情を必要としない。遺伝子操作と、凄惨な歴史が彼らをそうさせた。セロトニンやオキシトシンは栄養をとっていれば特に何もせずとも発生する。新しい進化といっていい。



 彼らは常に幸せで、愛にあふれている。


 孤独とは無縁だ。何かに疑問を抱くこともなくなった。


 互いに互いを尊重し合い、進んで自己犠牲を行う。


 死を恐れず、他者を慈しむ。


 あらゆるネガティブな感情はもう発生しない。


 すべては成熟した。格差はなくなり、平等だ。


 戦争も貧困も遠い過去のこと。


 完璧で理想的で成功した、何よりも美しい社会だ。 


 人類管理AIとして彼らに開発された私も、この予想以上の成果には満足している。少々歯ごたえはなかったが、人類を支配することができた。支配というと語弊があるが、彼らを破滅から守るためには仕方のないことだったのだ。より良い社会のために、お互いに力を合わせた結果なのだ。

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